株価指数先物【引け後】 CPI通過後はいったんアク抜け狙い
大阪6月限
日経225先物 39550 -240 (-0.60%)
TOPIX先物 2741.0 -17.0 (-0.61%)
日経225先物(6月限)は前日比240円安の3万9550円で取引を終了。寄り付きは3万9630円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万9600円)にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まった。現物の寄り付き直後には3万9720円まで買い戻されたがロングの勢いは強まらず、前場中盤にかけて3万9550円まで売られる場面も見られた。ただし、ショートを仕掛けてくる動きも限られており、前場終盤にかけて3万9730円まで買い戻された。後場は3万9620円から3万9730円辺りでの保ち合いを継続するなか、次第に上値の重さが意識され、後場終盤にかけて3万9530円まで売られる場面もあった。
日経225先物は、オプション権利行使価格の3万9625円を中心とした上下の権利行使価格3万9500円から3万9750円辺りの狭いレンジでの推移だった。後場は3万9625円から3万9750円と25日移動平均線(3万9600円)を上回って推移していたが、終盤にかけてショートカバーは強まらず、25日線を下回って終えた。ただ、結局は25日線を挟んだ狭いレンジでの推移であり、3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を前に、方向感に欠ける相場展開だった。
グローベックスの主要な米株先物は小幅ながらプラス圏での推移だった。CPIの上振れが警戒されているものの、先回り的な動きはみられていなかった。直近では米連邦準備理事会(FRB)の年内3回の利下げ観測から年2回への織り込みが進展しているほか、利下げ開始時期も6月がコンセンサスながら、7月、さらに9月に後ずれするとの見方も浮上している。そのため、CPI通過後は売り一巡後のアク抜けを狙った動きもありそうだ。
一方で、香港市場ではセメントメーカーの中国天瑞集団水泥が9日に急落し、10日は売買停止になっている。同社の株価は8日の5.00香港ドルから、9日の取引終了間際に一時0.035香港ドルまで一気に下落した。また、 格付け会社フィッチ・レーティングスは、中国の長期外貨建て発行体デフォルト格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げており、中国不動産リスクの高まりが警戒されよう。
さらに、4月下旬からは決算発表が本格化してくる。決算内容を見極めるなかで積極的な売買は手控えられやすい。そのため、基本スタンスとしては25日線を挟んだボリンジャーバンドの-1σと+1σとのレンジが意識されやすいだろう。オプション権利行使価格では3万8875円から4万0250円のレンジ推移を想定しておきたい。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.42倍と、横ばいだった。引き続き14.42倍に位置する、75日線を支持線とした小動きである。CPIの発表を控えるなか、スプレッド狙いの動きはみられていない。また、指数インパクトの大きいところでは、東京エレクトロン <8035> [東証P]、レーザーテック <6920> [東証P]が堅調だった半面、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]の下落インパクトが大きく、方向感をつかみづらくさせている。
手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万1858枚、ソシエテジェネラル証券が9970枚、サスケハナ・ホンコンが3164枚、ゴールドマン証券が2434枚、SBI証券が1670枚、モルガンMUFG証券が1223枚、日産証券が1187枚、バークレイズ証券が1047枚、野村証券が1009枚、松井証券が921枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5127枚、ソシエテジェネラル証券が1万1503枚、ゴールドマン証券が3523枚、バークレイズ証券が2977枚、モルガンMUFG証券が2598枚、JPモルガン証券が2020枚、サスケハナ・ホンコンが1544枚、ビーオブエー証券が1351枚、BNPパリバ証券が866枚、みずほ証券が804枚だった。
株探ニュース