株価指数先物【引け後】 NTショートが入りやすい需給状況に
大阪6月限
日経225先物 39410 -140 (-0.35%)
TOPIX先物 2749.5 +8.5 (+0.31%)
日経225先物(6月限)は前日比140円安の3万9410円で取引を終了。寄り付きは3万9040円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万9220円)を大きく下回り、売り先行で始まった。ただし、直後に付けた3万9020円を安値に押し目待ち狙いのロングやショートカバーが入り、前場終盤にかけて3万9400円回復。ランチタイムでは3万9400円を挟んだ狭いレンジで保ち合い、後場の取引開始時には3万9460円を付けた。その後は3万9380円から3万9460円での推移が続き、終盤にかけて一時3万9500円まで買い戻される場面も見られた。
日経225先物は、予想を上回る3月の米消費者物価指数(CPI)を受けた米国市場の下落の影響に加え、円相場が1ドル=153円台に突入したことで、為替介入への警戒感も加わった形でショートが先行した。ただし、節目の3万9000円を割り込まなかったことで、早い段階でショートカバーが強まったようだ。
ただし、円安を背景に輸出関連株が、NY原油先物相場の上昇を材料にエネルギー株が買われた流れであり、バリュー株が中心であった。東京エレクトロン <8035> [東証P]やファーストリテイリング <9983> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]などは売り一巡後に下げ渋りったものの、プラスに転じることはできず、日経平均型の重荷となった。
日経225先物は続落ではあったが、売り一巡後は終盤にかけて下げ幅を縮めたことで、引け味は悪くなかった。ただし、現時点では25日移動平均線が、抵抗線として意識されている状況には変わらない。ボリンジャーバンド-1σとのレンジを継続しているため、今晩の米国市場が3月の米卸売物価指数(PPI)の結果を受けて、前日のCPI同様、利下げ開始時期が後ずれするとの見方につながるようだと、節目の3万9000円割れを狙ったショートが入りやすいだろう。
円相場は介入への警戒感が燻るだろうが、円安に振れやすい需給状況のなか、日米金利差を狙った資金流入が意識されやすい。12日の米国ではシティグループ<C>、JPモルガン・チェース<JPN>の決算発表が予定されている。決算発表が本格化するなか、バリュー株に関心が向かいやすく、相対的にTOPIX型優位の展開になりそうだ。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。TOPIX先物はプラスに転じるなど、NTショートの動きが強まった。支持線としていた75日線を下回って始まり、ボリンジャーバンド-2σと-3σとのレンジでの推移となった。-3σ接近でNTショートを巻き戻す動きも入りそうだが、下へのトレンドが出てきたことで、200日線が位置する2月安値の14.13倍辺りをうかがう展開も意識しておきたいところだろう。
手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8847枚、ソシエテジェネラル証券が1万2207枚、サスケハナ・ホンコンが4742枚、SBI証券が2438枚、バークレイズ証券が2192枚、日産証券が1943枚、野村証券が1598枚、ビーオブエー証券が1452枚、モルガンMUFG証券が1221枚、ゴールドマン証券が1089枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3619枚、ソシエテジェネラル証券が1万3808枚、バークレイズ証券が4576枚、JPモルガン証券が3781枚、モルガンMUFG証券が3552枚、ゴールドマン証券が3013枚、サスケハナ・ホンコンが1780枚、ビーオブエー証券が1738枚、野村証券が1708枚、SBI証券が987枚だった。
株探ニュース