【投資部門別売買動向】信託銀が大きく売り越す一方、海外勢と個人の買い越しが膨らむ (4月第1週)

市況
2024年4月11日 20時00分

●信託銀が大きく売り越す一方、海外勢と個人の買い越しが膨らむ

東証が11日に発表した4月第1週(1日~5日)の投資部門別売買動向(現物)によると、米利下げ期待の後退や台湾地震の発生など懸念材料が相次いだことが嫌気され、日経平均株価が前週末比1377円安の3万8992円と大幅に続落したこの週は、信託銀行が13週連続で売り越した。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行の売越額は7887億円と前週の5555億円から拡大した。証券会社の自己売買は10週ぶりに売り越し、売越額は9870億円だった。前週は5260億円の買い越しだった。

一方、海外投資家が2週ぶりに買い越し、買越額は1兆1821億円と大きく膨らんだ。前週は2126億円の売り越しだった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で4週連続の売り越しだった。売越額は3536億円と前週の9657億円から大幅に縮小した。現物と先物の合算では2週ぶりに買い越し、買越額は8284億円だった。前週は1兆1783億円の売り越しだった。個人投資家は2週連続で買い越し、買越額は6347億円と前週の4438億円から大幅に増加した。

日経平均が大幅続落する中、信託銀行が大きく売り越す一方、海外投資家と個人投資家の買い越しが膨らんだ。

■投資部門別売買代金差額 (4月1日~5日)

東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]

※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

  海外投資家 信託銀行 個人合計 [  現金  信用 ] 日経平均 ( 前週比 )

4月 ―――

第1週    11,821  ▲7,887   6,347 [  2,057  4,290 ] 38,992円 ( -1377 円)

3月 ―――

第4週    ▲2,126  ▲5,555   4,438 [  2,823  1,614 ] 40,369円 ( -518 円)

第3週      960   ▲722  ▲8,726 [ ▲6,993 ▲1,733 ] 40,888円 ( +2180 円)

第2週     ▲875  ▲6,851   4,942 [  2,364  2,577 ] 38,707円 ( -981 円)

第1週     1,763  ▲6,865   3,274 [  ▲513  3,787 ] 39,688円 ( -221 円)

2月 ―――

第4週     3,834  ▲2,589   ▲905 [ ▲2,337  1,431 ] 39,910円 ( +812 円)

第3週     ▲786  ▲2,235   ▲918 [ ▲1,906   987 ] 39,098円 ( +611 円)

第2週     3,013  ▲4,554  ▲3,164 [ ▲3,439   274 ] 38,487円 ( +1589 円)

第1週     3,663  ▲5,490   2,277 [   103  2,173 ] 36,897円 ( +739 円)

1月 ―――

第5週     1,783  ▲1,421    569 [ ▲1,261  1,831 ] 36,158円 ( +406 円)

第4週     4,105  ▲3,692   2,946 [  ▲137  3,083 ] 35,751円 ( -212 円)

第3週     3,841  ▲1,915  ▲1,854 [ ▲2,918  1,064 ] 35,963円 ( +386 円)

第2週     9,557   ▲105 ▲10,695 [ ▲8,163 ▲2,531 ] 35,577円 ( +2199 円)

第1週     1,405    49   ▲336 [ ▲1,150   813 ] 33,377円 ( -86 円)

12月 ―――

第4週    ▲2,020   ▲891  ▲2,834 [ ▲3,280   445 ] 33,464円 ( +295 円)

第3週      565  ▲2,035  ▲2,103 [ ▲3,013   910 ] 33,169円 ( +198 円)

第2週     2,378    257  ▲3,298 [ ▲2,123 ▲1,174 ] 32,970円 ( +662 円)

第1週    ▲5,868   1,270   4,194 [  1,557  2,637 ] 32,307円 ( -1123 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。

※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。

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