ダウ平均は横ばい IT・ハイテク株が買われナスダックは大幅高=米国株概況
NY株式11日(NY時間16:36)(日本時間05:36)
ダウ平均 38459.08(-2.43 -0.01%)
S&P500 5199.06(+38.42 +0.74%)
ナスダック 16442.20(+271.84 +1.68%)
CME日経平均先物 39710(大証終比:+300 +0.76%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は横ばい。この日発表の米生産者物価指数(PPI)が予想を下回ったことで買いが先行したが、一巡後はすぐに上値が重くなり、ダウ平均は下げに転じた。前日の米CPIで形成された市場の利下げへのセンチメント後退を取り戻すまでの材料ともならず、次第に前日の雰囲気に戻っていた。
きょうも何人かのFOMC委員の発言が伝わっていたが、早期利下げに消極的な見解も述べており、もう少し時間をかけて確認したい意向を示していた。ただ、本日はIT・ハイテク株に買い戻しが強まり、ナスダックは大幅高となったほか、ダウ平均も後半に上げに転じる場面も見られていた。
今週のインフレ指標を通過して、市場はいよいよ米企業決算に備えている。決算シーズンは明日の大手銀を皮切りに本格化する。堅調な景気により、S&P500企業の利益は2四半期連続の増益が期待されており、大手IT・ハイテク企業の利益率の高さも、重要な牽引役となりそうだという。
今週の米消費者物価指数(CPI)の発表でFRBの利下げ期待が後退しているが、決算がネガティブな雰囲気を払しょくしてくれるとの期待も出ている。「今後の市場を牽引するのはFRBの利下げではなく、むしろ業績だろう。金利上昇の環境下でも、企業業績は投資家の予想を遥かに上回ることが期待される」といった声も聞かれた。
明日の大手銀の決算を皮切りに1-3月期の米企業決算が本格化する。市場は今回の決算に強気の見方を示している模様。ストラテジストの間では、世界経済の成長回復に伴い、今年も米企業業績は好調に推移すると楽観視しているようだ。前四半期の主な利益のエンジンであった割高なIT・ハイテク株も、再び堅調な業績に支えられると予想している模様。第1四半期のアナリスト予想は下方修正よりも上方修正が上回っているとの声も出ていた。今回の決算が利下げ期待の後退を払しょくできるか注目される。
バイオ医薬品のラリーバイオ<RLYB>が急騰。ジョンソン&ジョンソン<JNJ>と提携し、胎児と新生児を侵す希少疾患の治療法の開発するほか、ジョンソン&ジョンソンのベンチャーキャピタル部門から660万ドルの出資を受けたことを発表した。
アパレルやアクセサリのレンタルを手掛けるレント・ザ・ランウェイ<RENT>が決算を受け急伸。売上高が予想を上回ったほか、EBITDAが予想の2倍以上となった。
バイオ医薬品のアルパイン・イミューン・サイエンシズ<ALPN>が急伸。バーテックス・ファーマ<VRTX>が同社を1株65ドルで買収することで合意した。
サイバーセキュリティのジェン・デジタル<GEN>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価を25ドルに設定した。25年度売上高の予想コンセンサスが高く見えると指摘。
ナイキ<NKE>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を113ドルに設定した。前日終値よりも27%高い水準。
モルガンスタンレー<MS>が下落。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、米財務省や米証券取引委員会(SEC)などが同社のウェルス部門を調査していると伝えたことで売りが強まった。
レント・ザ・ランウェイ<RENT> 19.38(+11.98 +161.89%)
アルパイン・イミューン<ALPN> 64.40(+17.36 +36.90%)
ラリーバイオ<RLYB> 2.98(+1.35 +82.82%)
ジェン・デジタル<GEN> 20.99(-1.35 -6.04%)
ナイキ<NKE> 92.00(+3.00 +3.37%)
モルガン・スタンレー<MS> 86.84(-4.81 -5.25%)
アップル<AAPL> 175.04(+7.26 +4.33%)
マイクロソフト<MSFT> 427.93(+4.67 +1.10%)
アマゾン<AMZN> 189.05(+3.10 +1.67%)
アルファベットC<GOOG> 160.79(+3.13 +1.99%)
テスラ<TSLA> 174.60(+2.84 +1.65%)
メタ<META> 523.16(+3.33 +0.64%)
AMD<AMD> 170.50(+3.36 +2.01%)
エヌビディア<NVDA> 906.16(+35.77 +4.11%)
イーライリリー<LLY> 759.59(-2.39 -0.31%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美