富田隆弥の【CHART CLUB】 「乱高下しやすい時期、日足の流れを重視」

市況
2024年4月13日 9時50分

◆岸田首相が訪米し、首脳会談のほか、経済界との積極交渉でも成果を見せている。日本では支持率低調の首相だが、その通信簿ともいえる「日経平均株価」は大きく上昇して史上最高値を更新しており、投資家目線では文句なしの「合格」である。帰国後に党内の混乱を収めれば、解散に打って出る可能性もある。そうなれば「選挙は買い」というお馴染みの格言がマーケットでは浮上してくるだろう。

◆ただ、目先の株式市場には調整懸念が漂う。米国でインフレに対する警戒感が再燃し、マーケットが描いていた「年3回の利下げ」観測が後退。足もとのNYダウは下落基調を鮮明にしており、それに歩調を合わせる形で11日の日経平均株価は続落した。ともに日足チャートは25日移動平均線や年初来の支持線を割り込み、「陰転」を暗示する。

◆地政学リスクや原油高などインフレリスクが燻るほか、これから発表が本格化する企業決算もポイントになるだろう。ただし、日経平均株価のチャートを見れば、昨年10月の安値からおよそ35%上昇し、テクニカル面で過熱感が兆してきていた。ここでの調整はセオリー通りと言える。

◆買い人気を強めた高所だけに、風雨は強まるところでもある。過熱解消には少し時間を要することも想定されるが、スピード調整を経て25日線を回復するなら、再び高値挑戦の展開となろう。早ければ4月下旬から5月上旬に上値挑戦の動きになってもおかしくない。

◆とはいえ、NYダウ、日経平均株価ともに日柄は10月末の安値から6カ月を迎える。いわゆる「安値期日」の到来であり、5月には「セルインメイ(Sell in May)」の格言もある。また、日本株には為替相場(ドル・円)の急変リスクも付きまとう。つまり、調整の兆しを見せたあとの戻りは「安心買い」を誘う一方、「利食い」も出やすいことを頭に入れておきたい。新年度相場は「期待と懸念」を併せ持つことから、日足チャートの流れを重視していきたい。

(4月11日 記、次回更新は4月20日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

⇒⇒最高10万円が当たる! 「個人投資家大調査」を実施中

⇒⇒「株探」では、ただいま「個人投資家大調査-2024」を実施しています。

⇒⇒アンケートにご回答いただいた方から、抽選で「QUOカード」を1名の方に10万円分、1名の方に7万円分、33名の方に1万円分を差し上げます。

⇒⇒アンケートは4月15日(月)午後6時までの予定ですが、回答数の状況で、予定より前に終了することもあります。

⇒⇒アンケートのご回答はこちらからお願いします。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.