富田隆弥の【CHART CLUB】 「乱高下しやすい時期、日足の流れを重視」
◆岸田首相が訪米し、首脳会談のほか、経済界との積極交渉でも成果を見せている。日本では支持率低調の首相だが、その通信簿ともいえる「日経平均株価」は大きく上昇して史上最高値を更新しており、投資家目線では文句なしの「合格」である。帰国後に党内の混乱を収めれば、解散に打って出る可能性もある。そうなれば「選挙は買い」というお馴染みの格言がマーケットでは浮上してくるだろう。
◆ただ、目先の株式市場には調整懸念が漂う。米国でインフレに対する警戒感が再燃し、マーケットが描いていた「年3回の利下げ」観測が後退。足もとのNYダウは下落基調を鮮明にしており、それに歩調を合わせる形で11日の日経平均株価は続落した。ともに日足チャートは25日移動平均線や年初来の支持線を割り込み、「陰転」を暗示する。
◆地政学リスクや原油高などインフレリスクが燻るほか、これから発表が本格化する企業決算もポイントになるだろう。ただし、日経平均株価のチャートを見れば、昨年10月の安値からおよそ35%上昇し、テクニカル面で過熱感が兆してきていた。ここでの調整はセオリー通りと言える。
◆買い人気を強めた高所だけに、風雨は強まるところでもある。過熱解消には少し時間を要することも想定されるが、スピード調整を経て25日線を回復するなら、再び高値挑戦の展開となろう。早ければ4月下旬から5月上旬に上値挑戦の動きになってもおかしくない。
◆とはいえ、NYダウ、日経平均株価ともに日柄は10月末の安値から6カ月を迎える。いわゆる「安値期日」の到来であり、5月には「セルインメイ(Sell in May)」の格言もある。また、日本株には為替相場(ドル・円)の急変リスクも付きまとう。つまり、調整の兆しを見せたあとの戻りは「安心買い」を誘う一方、「利食い」も出やすいことを頭に入れておきたい。新年度相場は「期待と懸念」を併せ持つことから、日足チャートの流れを重視していきたい。
(4月11日 記、次回更新は4月20日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
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