12日の米国市場ダイジェスト:NYダウは475ドル安、冴えない銀行決算や中東情勢の緊迫化を警戒
■NY株式:NYダウは475ドル安、冴えない銀行決算や中東情勢の緊迫化を警戒
米国株式市場は下落。ダウ平均は475.84ドル安の37,983.24ドル、ナスダックは267.11ポイント安の16,175.09で取引を終了した。
冴えない銀行決算や中東情勢の緊迫化を警戒した売りに寄り付き後、大幅下落。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待後退もさらなる売り圧力となり、終日軟調に推移した。終盤にかけて、下げ幅を拡大し終了。セクター別では、不動産管理・開発が上昇した一方、銀行、半導体・同製造装置が下落した。
携帯端末のアップル(AAPL)は新型「M4」チップ搭載のマック発売との報道を背景とした期待感に買いが継続。銀行のJPモルガン(JPM)は、四半期決算で、純金利収入が予想を下回ったほか、経費が想定以上に膨らんだことが嫌気され、下落。同業のウェルズ・ファーゴ(WFC)は第1四半期決算で、純金利収入が減少し、売られた。
半導体メーカーで中国のエクスポ―ジャーが大きいアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やインテル(INTC)は中国政府が業界大手に27年までに通信網の中核をなすチップから外国製品を排除するよう指示したとの報道を受けて、それぞれ下落。ザ・ノースフェイスやティンバーランドといったアパレルブランドを運営するVFは、アナリストの投資判断・目標株価引き下げで下落した。ホームセンター運営のロウズ(LOW)やホーム・デポ(HD)は金利の高止まりで売上が低迷するとの懸念に、下落。
アトランタ連銀のボスティック総裁は、利下げを急がず、年末までに1回の利下げを予想していることを再表明した。同総裁は本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有する。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:中東地域における地政学的リスクの高まりや利下げ観測後退でドル反発
12日のニューヨーク外為市場でドル・円は152円60銭へ下落後、153円33銭まで上昇し、153円26銭で引けた。関係筋の話としてイスラエルが数日内のイランからの報復攻撃を警戒しているとの報道で中東地政学的リスクの上昇に連れリスク回避の円買いに拍車がかかった。同時に質への逃避のドル買いも強まったほか、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率が予想外に上昇、さらに連邦準備制度理事会(FRB)高官の利下げに一段と慎重な姿勢を受け利下げ観測が後退し、ドル買いが再燃した。
ユーロ・ドルは1.0655ドルから1.0623ドルまで下落し、1.0640ドルで引けた。エストニア中銀総裁がインフレ減速で6月の利下げの可能性に言及し、ユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は、163円20銭から162円28銭まで下落。ポンド・ドルは1.2474ドルから1.2427ドルまで下落。ドル・スイスは0.9103フランへ下落後、0.9146フランまで上昇した。
■NY原油:反発、中東情勢の悪化を警戒した買いが一時強まる
12日のNY原油先物5月限は反発(NYMEX原油5月限終値:85.66 ↑0.64)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比+0.64ドル(+0.75%)の85.66ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは85.24ドル-87.67ドル。中東情勢の悪化を警戒して米国市場の中盤にかけて87.67ドルまで買われたが、買い一巡後は利食い売りが強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で一時85.24ドルまで弱含み。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 35.79ドル -0.56ドル(-1.54%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.19ドル -0.65ドル(-0.74%)
ゴールドマン・サックス(GS)389.49ドル -7.99ドル(-2.01%)
インテル(INTC) 35.69ドル -1.94ドル(-5.15%)
アップル(AAPL) 176.55ドル +1.51ドル(+0.86%)
アルファベット(GOOG) 159.19ドル -1.60ドル(-0.99%)
メタ(META) 511.90ドル -11.26ドル(-2.15%)
キャタピラー(CAT) 365.63ドル -6.35ドル(-1.70%)
アルコア(AA) 35.20ドル -1.03ドル(-2.84%)
ウォルマート(WMT) 60.14ドル +0.05ドル(+0.08%)
《ST》