株価指数先物【寄り前】 日米金利差を狙ったTOPIX型優位の展開

市況
2024年4月16日 8時18分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 38700 -530 (-1.35%)

TOPIX先物 2728.5 -23.0 (-0.83%)

シカゴ日経平均先物 38705 -525

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

15日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。朝方は前週までの下落に対する自律反発で買い先行となり、NYダウは一時400ドルほど上昇する場面も見られた。予想を上回る決算を発表したゴールドマン・サックス・グループ<GS>が買われたこともNYダウを押し上げる形となった。

ただし、3月の米小売売上高が前月比0.7%増加と予想(0.3%程度)を上回り、米景気の底堅さを示したことで、米利下げ開始の後ずれ観測が強まった。米長期金利が昨年11月以来の高水準を付ける場面も見られるなか、ハイテク株を中心に売り優勢の流れとなった。S&P500業種別指数は電気通信サービス、家庭用品・パーソナル用品、銀行が上昇した一方で、自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、テクノロジー・ハード・機器が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比525円安の3万8705円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万9240円で始まり、ロング優勢のなか、米国市場の取引開始直前には3万9500円まで買われた。ただし、米国市場の取引開始後ほどなくして下落に転じた。節目の3万9000円接近でいったんは3万9270円と上昇に転じたものの買いは続かず、終盤にかけて下へのバイアスが強まると、3万8640円まで下げ幅を広げ、3万8700円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ショート先行で始まることになりそうだ。米小売売上高の結果を受け、米利下げ開始が後ずれするとの見方が強まり、11月以前の利下げはないとの観測も出てきた。日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万8890円)を下回ってきており、-2σが位置する3万8210円や3月12日に付けた3万8060円が徐々に意識されてきそうだ。

売り一巡後は-1σ水準での攻防をみせてくる可能性があるものの、同水準での上値の重さが意識されてくる局面では、ショートを仕掛けてくる動きが警戒される。ただし、来週から本格化する決算発表を控えるほか、地政学リスクの高まりなどから積極的にポジションを傾ける動きはなく、売り一巡後は自律反発狙いのロング対応に向かわせよう。

そのため、-1σ辺りでの攻防から、オプション権利行使価格の3万8875円を中心とした上下の権利行使価格3万8625円から3万9125円のレンジを想定する。米国市場では米消費の底堅さを示す経済指標を受けた、米長期金利の上昇が重荷となったが、予想を上回ったゴールドマンの決算は安心感につながりそうだ。

また、日米金利差を狙った資金流入への思惑も高まりやすく、円相場が1ドル=154円台の円安に突入するなか、輸出関連株などが買われそうである。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となる半面、相対的にTOPIX型優位の展開が見込まれる。

15日のVIX指数は19.23(前日は17.31)に上昇した。地政学リスクの高まりを受けて、一時19.47まで切り上がる場面も見られ、昨年10月末以来の水準まで上げてきた。昨年10月23日に付けた23.08辺りが意識され、ショートを仕掛けてくる動きが強まりやすいだろう。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍(前日は14.34倍)に低下した。一時14.23倍まで下げており、14.18倍辺りで推移する200日移動平均線のほか、2月7日に付けた14.13倍辺りが目先的なターゲットとして意識されてくる。同水準ではNTショートを巻き戻す動きが入る可能性がある半面、これらを明確に下回ってくるとNTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうだ。

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