バンカメが下落 堅調な決算もコスト増とCRE損失の前倒し計上が相殺=米国株個別
(NY時間10:45)(日本時間23:45)
バンカメ<BAC> 34.55(-1.40 -3.89%)
バンカメ<BAC>が下落。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、株式のトレーディング収益が予想以上に好調だったほか、純受取利息(NII)も予想を上回った。ただ、貸倒損失が15億ドルと予想以上の損失を計上したことや、金利外費用が6.2%増の172億ドルと予想以上に膨らんだ。長引くインフレで支出が膨らむ中、コストは投資家にとってもう1つの焦点となっている。
モイニハンCEOは声明で「セールスおよびトレーディング部門は第1四半期も好調な勢いを維持し、過去10年以上で最高の第1四半期を記録した」と説明していた。一方、同銀は決算説明会で「商業用不動産(CRE)の損失を前倒し計上し、純金利収入は下半期に伸びる」と述べていた。
アナリストは「純金利収入が前四半期から僅かだが増加したことは注目に値する。純金利収入と手数料は堅調に推移したが、コストと与信正常化に伴う損失計上で相殺された」と指摘。「決算自体は問題ないが、今回の数字に有意な動きは期待できない。CREとカードローンの信用力が弱いため、下振れの可能性もある」とも述べた。
(1-3月・第1四半期)
・1株利益(調整後):0.76ドル(予想:0.77ドル)
・経常収益(調整後):259.8億ドル(予想:256.1億ドル)
トレーディング:51.8億ドル(予想:50.2億ドル)
FICC:33.1億ドル(予想:33.0億ドル)
株式:18.7億ドル(予想:17.1億ドル)
ウェルス・投資銀行:55.9億ドル(予想:53.4億ドル)
純受取利息(NII):141.9億ドル(予想:139.5億ドル)
・貸倒引当金:13.2億ドル(予想:14.0億ドル)
・貸倒損失:15億ドル(予想:12.6億ドル)
・融資残高:1.05兆ドル(予想:1.06兆ドル)
・預金残高:1.95兆ドル(予想:1.93兆ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース