NY株式:NYダウは63ドル高、良好な経済成長期待が下支え
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は63.86ドル高の37,798.97ドル、ナスダックは19.77ポイント安の15,865.25で取引を終了した。
国際通貨基金(IMF)による経済成長率の上方修正や予想を下回った住宅関連指標を受け、寄り付き後、まちまち。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長がインフレが長期化した場合の高金利長期化の可能性を指摘すると金利が上昇し、相場の上値が抑制された。さらに、パウエル議長は経済が強く、利下げに向けたインフレの進展が不十分で現行の金利を想定以上に長く維持する可能性に言及したため売り材料となった。ただ、次の行動が利下げであることには変わりはなく、また、良好な成長期待に終盤にかけてダウは再び買われ底堅く推移。一方、金利高が重しとなりナスダックは下落となり、まちまちで終了。セクター別では、半導体・同製造装置、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で不動産管理・開発が下落した。
金融のモルガンスタンレー(MS)は第1四半期決算でトレーディング収入が予想を上回り14%増益を計上し、上昇。管理医療会社のユナイテッドヘルス(UNH)は第1四半期決算でサイバー攻撃による影響で警戒されていたほど、内容が悪化せず安心感から買われた。半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やスーパーマーケットチェーンを運営するクローガー(KR)はアナリストの投資判断引き上げを受けて上昇。
銀行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)は第1四半期決算で不良債権貸し倒れ償却が予想以上となったことが嫌気され、下落。製薬会社のJ&J(JNJ)は第1四半期決算でほぼ予想に一致する内容で、失望感から売られた。イベント会社のライブ・ネーション・エンターテインメント(LYV)は、司法省(DOJ)が独占禁止法違反で同社に対する訴訟を準備しているとの報道で、売られた。
航空会社のユナイテッド(UAL)は取引終了後に決算を発表。調整後の1株損失が予想ほど悪化せず、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》