株価指数先物【寄り前】 短期的なショートの動きに振らされやすい
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37750 -420 (-1.10%)
TOPIX先物 2659.5 -17.5 (-0.65%)
シカゴ日経平均先物 37790 -380
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、「利下げを急ぐ必要はない」との見解を示すなど、引き続き米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期が後ずれするとの見方が重荷となった。また、新規失業保険申請件数が前週比変わらずの21万2000件となり、市場予想を下回ったことも、利下げ観測を後退させた。
さらに、台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>が発表した2024年1-3月期決算と4-6月期の売上高見通しは市場予想を上回ったものの、今年の半導体市場の成長見通しを下方修正したことを受けて5%近く下げるなか、ハイテク株の弱さが目立った。S&P500業種別指数は保険、銀行、電気通信サービスが上昇した半面、自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、商業サービス・用品が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比380円安の3万7790円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万8200円で始まり、直後に付けた3万8220円を高値に軟化し、ほどなくして下落に転じた。米国市場の取引開始直後に3万7730円まで売られた後に、いったん3万8120円まで下落幅を縮める場面も見られた。ただし、買い一巡後は再びショート優勢の流れとなり、終盤にかけては3万7720円~3万7860円辺りでの保ち合いが続き、3万7750円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。昨日の日経225先物はTSMCの決算を受けた初動で先回り的なロングが入り、一時3万8250円まで買われていた。TSMCの決算は予想を上回ったものの、今年の半導体市場の成長見通しを下方修正したことが嫌気されており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株に売りが先行する形で、日経平均型の重荷となりそうだ。また、米当局者によるタカ派発言が相次ぐなか、FRBによる利下げ観測が後退しており、米長期金利が上昇しやすい地合いであることも不安定さにつながっている。
日経225先物はナイトセッションで75日移動平均線水準まで下げており、同線が支持線として機能するかを見極めることになろう。来週から本格化する決算発表を控え、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られ、商いも細りやすくなる。昨日の東証プライムの売買高は15億株台と4月10日以来の水準に減少しており、積極的な参加者が限られるなかで、短期的なショートの動きに振らされやすい需給状況だろう。
TSMCは売られたが、エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>などは小幅ながらプラス圏をキープした。一方で、取引終了後に1-3月期決算を発表したネットフリックス<NFLX>は、時間外取引で4%超下落している。日経225先物は75日線での攻防から押し目狙いのロング対応としつつも、同線を下回ってくる局面においては、ボリンジャーバンドの-3σ(3万7030円)が意識される可能性があるため、スキャルピング中心ながらショート優位になろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万7750円を中心とした3万7250円から3万8250円での広めのレンジを想定しておきたい。
18日のVIX指数は18.00(前日は18.21)に低下した。直近の上昇でボリンジャーバンドの+3σを上回ってきたため、過熱を冷ます調整のなかで+1σ水準まで下げてきた。ただし、調整一巡感も意識されてくる可能性もあるため、リスク選好には向かいにくいところである。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍と前日比変わらずだった。200日移動平均線での攻防が続くなか、4日連続の14.25倍で終えている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が弱含むなか、相対的にTOPIX型優位の展開が見込まれるため、NTショートでのスプレッド狙いの動きに向かいやすいだろう。200日線が位置する14.17倍が支持線として機能するかを見極めたい。
株探ニュース