TSMC下落がハイテク株の重荷/オープニングコメント
19日の日本株市場は、売り一巡後はボトムを探る流れになりそうだ。18日の米国市場は、NYダウが22ドル高、ナスダックは81ポイント安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言などを受けた利下げ期待の後退や、台湾積体電路製造(TSMC)がスマホ・PC販売低迷で市場見通しを引き下げたため需要鈍化が警戒され、相場の重荷となった。シカゴ日経225先物は大阪比380円安の37790円。円相場は1ドル154円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まろう。昨日の日経平均株価はTSMCの決算直後に買われる場面も見られていたが、TSMCの下落を受けてハイテク株へは嫌気売りが入りやすいだろう。日経225先物はナイトセッションで一時37720円まで売られており、75日線水準まで下げている。昨日の日経平均株価は75日線水準での攻防を見せていたが、再び同線を下回ってくるようだと、持ち高調整の流れが強まりやすいほか、先物主導で売りを仕掛けてくる流れが警戒されそうである。
ボリンジャーバンドでは、下向きで推移する-2σが抵抗として意識されやすい。売られ過ぎも意識されそうだが、75日線を明確に下回ってくる局面においては、-3σ辺りまでのバイアスが強まる可能性も警戒しておきたい。今後決算発表が本格化してくることから機関投資家は積極的には動かないと考えられ、短期筋のヘッジファンドなどの仕掛け的な売買の影響を受けやすくなろう。
米国では主要企業の決算に振らされるなか、東京市場においても来週からは同様の動きになりやすく、様子見姿勢が強まりそうである。そのため、相場全体は不安定な状況のなかで、決算を手掛かりとした個別対応に向かわせよう。また、ハイテク株の手掛けづらさから、目先的にはTOPIX型優位の展開が見込まれる。なお、昨夕の決算ではバーチャレク<6193>、ブロンコB<3091>の動向が注目されそうだ。
《AK》