前場に注目すべき3つのポイント~TSMC下落がハイテク株の重荷~
19日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■TSMC下落がハイテク株の重荷
■KOA、24/3上方修正 営業利益 33.13億円←23.00億円
■前場の注目材料:富士電機、カナダで低圧インバーター生産、北米に供給
■TSMC下落がハイテク株の重荷
19日の日本株市場は、売り一巡後はボトムを探る流れになりそうだ。18日の米国市場は、NYダウが22ドル高、ナスダックは81ポイント安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言などを受けた利下げ期待の後退や、台湾積体電路製造(TSMC)がスマホ・PC販売低迷で市場見通しを引き下げたため需要鈍化が警戒され、相場の重荷となった。シカゴ日経225先物は大阪比380円安の37790円。円相場は1ドル154円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まろう。昨日の日経平均株価はTSMCの決算直後に買われる場面も見られていたが、TSMCの下落を受けてハイテク株へは嫌気売りが入りやすいだろう。日経225先物はナイトセッションで一時37720円まで売られており、75日線水準まで下げている。昨日の日経平均株価は75日線水準での攻防を見せていたが、再び同線を下回ってくるようだと、持ち高調整の流れが強まりやすいほか、先物主導で売りを仕掛けてくる流れが警戒されそうである。
ボリンジャーバンドでは、下向きで推移する-2σが抵抗として意識されやすい。売られ過ぎも意識されそうだが、75日線を明確に下回ってくる局面においては、-3σ辺りまでのバイアスが強まる可能性も警戒しておきたい。今後決算発表が本格化してくることから機関投資家は積極的には動かないと考えられ、短期筋のヘッジファンドなどの仕掛け的な売買の影響を受けやすくなろう。
米国では主要企業の決算に振らされるなか、東京市場においても来週からは同様の動きになりやすく、様子見姿勢が強まりそうである。そのため、相場全体は不安定な状況のなかで、決算を手掛かりとした個別対応に向かわせよう。また、ハイテク株の手掛けづらさから、目先的にはTOPIX型優位の展開が見込まれる。なお、昨夕の決算ではバーチャレク<6193>、ブロンコB<3091>の動向が注目されそうだ。
■KOA、24/3上方修正 営業利益 33.13億円←23.00億円
KOA<6999>は2024年3月期業績予想の修正を発表。売上高は651.00億円から648.35億円と計画を若干下回るが、営業利益を23.00億円から33.13億円に上方修正した。売上高は自動車向け市場において需要が堅調に推移しているものの、産業機器や民生機器市場を中心にお客様の在庫調整が継続。利益面ではの為替影響に加え、コスト抑制等により、予想を上回る。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(38079.70、+117.90)
・NYダウは上昇(37775.38、+22.07)
・VIX指数は低下(18.00、-0.21)
・米原油先物は上昇(82.73、+0.04)
・米国のインフレ沈静化期待
・東証による企業価値向上の要請
・富士電機<6504>カナダで低圧インバーター生産、北米に供給
・日本オラクル<4716>日本事業に10年1.2兆円投資、データセンター増設
・富士通<6702>米オラクルと協業、「ソブリンクラウド」提供
・RYODEN<8084>新潟人工知能研究所など3者で、生成AI活用で協業
・関電工<1942>電気工事で初の外国人受け入れ、特定技能制度活用
・三菱商事<8058>千葉・銚子の地域創生に伴走、生活基盤維持・事業創造
・双日<2768>ジャカルタ高速鉄道延伸工事を450億円で受注
・太平洋工業<7250>EV向け電子膨張弁を拡充、岐阜・北大垣工場に専用工場
・ホンダ<7267>米当局、ホンダ車300万台調査、自動ブレーキに不具合か
・日産自<7201>坂本秀行副社長「『全固体』育てる」
・ヒラノテクシード<6245>塗工機で北米・エネ深耕、次世代電池向け高性能機種提案
・アズビル<6845>タイに新工場、15億円投資、電磁流量計など生産
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 3月全国消費者物価指数(生鮮食品除く)(前年比予想:+2.7%、2月+2.8%)
<海外>
・特になし
《ST》