P&Gが決算受け下落 売上高が予想下回る=米国株個別
(NY時間09:47)(日本時間22:47)
P&G<PG> 154.81(-2.48 -1.58%)
P&G<PG>が下落。取引開始前に1-3月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、売上高や既存事業売上高が予想を下回ったことが嫌気されている。ただ、通期の1株利益の見通しは上方修正した。商品コストの低下と生産性向上による着実な価格上昇に伴い、利益見通しを上方修正したとしている。生産ラインでの残業時間の抑制や、より低コストの原料へのシフトなどにより、コストが低下したという。
高止まりするインフレが購買力を抑制しているにもかかわらず、買い物客が必需品への支出を増やしていることを示した。同社は6年連続の値上げに踏み切り、直近の四半期では前年比で3%の値上げを行った。価格上昇で収益性は向上しているが、その代償として販売量の伸びは鈍化している。
シュルテンCFOは「消費者の行動は実に安定している。パンデミック以降、商品サイドの供給状況は緩和している」と述べた。
ジレット・カミソリを含むグルーミング部門の売上高が予想を上回る伸びを記録。欧州や南米での値上げが奏功した。シェービングジェルとブラウン社製電気シェーバーでの全身シェービングによる除毛製品によって強化された。タイド洗剤を取り扱うファブリックケア事業も好調。しかし、ヘルスケア部門とベビー用品部門はプレッシャーにさらされ、パンパース紙おむつの販売量が減少した。SK-II美容製品を販売している中国市場も苦戦。
(1-3月・第3四半期)
・1株利益:1.52ドル(予想:1.41ドル)
・売上高:202.0億ドル(予想:204.3億ドル)
・既存事業売上高:+3.0%(予想:+3.7%)
ビューティー:+3.0%(予想:+1.0%)
グルーミング:+10.0%(予想:+5.2%)
ヘルスケア:+2.0%(予想:+4.1%)
ファブリック&ホームケア:+3.0%(予想:+5.2%)
ベビー・女性・ファミリーケア:0%(予想:+3.1%)
・既存事業販売数量:0%(予想:+0.8%)
・FCF(調整後):32.9億ドル(予想:31.4億ドル)
(通期見通し)
・1株利益:10~11%増(従来:8~9%増)
・既存事業売上高:4~5%増(予想:4.7%増)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース