話題株ピックアップ【夕刊】(2):ビプロジー、日経レバ、東電HD
■BIPROGY <8056> 4,628円 +100 円 (+2.2%) 本日終値
BIPROGY<8056>がジリ高歩調となっている。同社はきょう、ニッセン(京都市南区)及びメタクロシス(東京都渋谷区)と画像生成AIを活用した衣類の着用パターンを自動生成する実証実験を実施したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。今後3社は、生活者のニーズに柔軟に対応した新たなサービスを創出するとともに、人工知能(AI)を活用した企画から製造、販売に至るアパレル業界の業務効率や環境負荷の軽減を目指すとしている。
■日経レバ <1570> 26,460円 +500 円 (+1.9%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が切り返し急、一時2%超の上昇で2万6500円台まで水準切り上げた。前週末は日経平均株価が1000円強の下落で中長期トレンドの下値支持ラインとなっていた75日移動平均線を下放れる形となり、「個別株も信用取引で買いを積み上げていた向きの投げを誘った」(中堅証券マーケットアナリスト)。しかし、経験則ではそうした場面がいったん底入れのシグナルとなりやすい。日経平均株価に連動するように組成されたETFで価格変動率が2倍に基本設定されている日経レバは直近まで信用残、日証金ともに買い長の状態にあったが、投げ売りを誘ったことから前週末時点で需給面での改善が進んだ可能性がある。
■東電HD <9501> 1,032.5円 +18 円 (+1.8%) 本日終値
東京電力ホールディングス<9501>が1000円トビ台で売り物を吸収し頑強な値動きを示しているほか、北海道電力<9509>は8%超の上昇で年初来高値1285円奪回を目前に捉えた。このほか、九州電力<9508>、関西電力<9503>、中部電力<9502>など電力株が軒並み高に買われた。国内で半導体新工場やデータセンターの建設の動きが相次ぐなか、電力需要の増大が予想され、柏崎刈羽原発や泊原発など電力会社の原発再稼働の思惑も根強い。季節的にも夏場の電力不足が意識される時期にあり、電力セクターの株価刺激材料に事欠かない状況だ。株式需給面ではハイテク主力株が目先買いにくい地合いで、電力株に短期筋の資金シフトが観測され、株高を後押ししている。
■宝ホールディングス <2531> 1,015円 +15 円 (+1.5%) 本日終値
宝ホールディングス<2531>が高い。岩井コスモ証券は19日、同社株の投資判断「A」と目標株価1500円を継続した。新型コロナ関連の売上高が激減し、24年3月期の連結営業利益は前の期比4割を超える大幅減益の見通しだが、中期的成長に向けた基盤は整いつつあることを指摘。独自のビジネスモデルによる和食と日本食の世界的な浸透を目指しているほか、国内最大規模の遺伝子・細胞プロセッシング施設を構えて再生医療・遺伝子治療分野における受託サービス「CDMO事業」での成長を図っている。同社が持つ独自の事業ポートフォリオで安定的な利益成長を目指す基盤が整ってきたことを評価して、投資判断の「A」を継続している。
■UBE <4208> 2,780円 +38.5 円 (+1.4%) 本日終値
UBE<4208>が反発。この日、新たに環境製品ブランド「U-BE-INFINITY」をリリースしたと発表しており、好材料視された。同ブランドは、グループが展開する「環境貢献型製品・技術」のうち、特に優れた環境貢献を示す製品・技術に対してブランドを付与し、対象となる製品・技術の付加価値を高めるのが狙い。GHG排出量の削減によるカーボンニュートラルへの貢献や再生材・バイオマスなどの利用による省資源化やリサイクルの簡易化に資する製品及び技術などが対象となる予定で、第1弾として植物由来原料を利用したナイロンの「バイオベースナイロン」やISCC PLUS(国際持続可能性カーボン認証)認証を受けた、サステナブル原料から製造したカプロラクタムの「サステナブルカプロラクタム」などを展開するとしている。
■豊田合成 <7282> 3,217円 +43 円 (+1.4%) 本日終値
豊田合成<7282>が反発。午後1時ごろ、除菌用の水銀ランプの代替光源として注目されているUV-C(深紫外線)LEDに関して、世界最高水準となる光の出力を実現したと発表しており、好材料視された。UV-Cはウイルスや細菌の遺伝子情報を破壊し増殖を抑える効果があるため各種除菌に用いられている光源で、除菌用の水銀ランプと比べて水銀フリーで環境負荷が低く、小型かつ長寿命といった利点がある一方、出力に課題があることから、浄水場など高い除菌能力が必要とされる場面では現在でも水銀ランプが使われている。今回同社が開発したUV-C LEDは、1チップで200ミリワット級の光の出力を実現し、除菌能力が約3倍に上昇。これにより、将来的な水銀ランプの代替も含め、UV-C LEDの活用領域拡大が期待されている。なお、同社では今月中に国内外でサンプル販売を始め、水や空気などの除菌用途での利用拡大を推進するとしている。
■フォーバル <8275> 1,159円 +15 円 (+1.3%) 本日終値
フォーバル<8275>が反発。この日の午前中、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」を企業法務Matching(札幌市中央区)に提供すると発表しており、好材料視された。「きづなPARK」は、さまざまなコンテンツが集う場所というコンセプトで構築された、中小企業の経営情報を収集・蓄積・分析活用できるプラットフォーム。企業法務Matchingのクライアント向けに提供しているコンサルティングサービスで同サービスを利用することにより、きづなPARK上での専用広場を開設し経営の可視化と効果測定をしながら、より多くの中小企業経営者のサポートを進めるとしている。
■新光電気工業 <6967> 5,525円 +9 円 (+0.2%) 本日終値
新光電気工業<6967>は底堅い動き。前週末19日の取引終了後、集計中の24年3月期連結業績について、売上高が従来予想の2300億円から2099億円(前の期比26.7%減)へ、営業利益が350億円から248億円(同67.7%減)へ、純利益が240億円から186億円(同65.9%減)へ下振れて着地したようだと発表したが、織り込み済みとの見方から下値に買いが入ったようだ。半導体市況の回復が遅れていることを背景に、フリップチップタイプパッケージがパソコンやサーバー向けの需要低迷長期化の影響を大きく受けたほか、半導体輸出規制などを背景に半導体製造装置向けセラミック静電チャックの受注が減少した。また、リードフレームは半導体市況低迷による在庫調整継続の影響を受けて、プラスチックBGA基板は先端メモリー向けがそれぞれ需要が減少し、売り上げが想定を下回った。
■SBIアルヒ <7198> 844円 -57 円 (-6.3%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
SBIアルヒ<7198>が続落。前週末19日取引終了後に24年3月期連結業績予想の下方修正を発表。売上高を210億円から204億円(前の期比9.7%減)へ、純利益を20億5000万円から15億円(同46.8%減)へ引き下げており、これを嫌気した売りが出た。固定金利と変動金利の金利差を背景にフラット35市場が引き続き低調なことが響いた。なお、配当は従来予想(40円)を据え置いた。
■アドバンテスト <6857> 5,269円 -215 円 (-3.9%) 本日終値
アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など軟調。いずれも半導体製造の後工程で世界トップシェアを誇る製造装置メーカーだが、米半導体株安を受け向かい風の強い環境を強いられている。前週末の米国株市場ではハイテク株に売りがかさみ、ナスダック総合株価指数は300ポイントあまりの大幅な下げとなったが、そのなかエヌビディア<NVDA>が10%安と急落するなど半導体関連株の下げが際立っており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4%安に売り込まれた。エヌビディアのGPU向けに半導体テスターを納入しているアドテストの株価にはネガティブ材料となっているほか、生成AI市場の急拡大に照準を合わせ商機を高めているディスコにも、目先リスク回避目的の売りが目立つ。一方、空売り筋のショートカバーは想定されるところだが、アドテストは今週26日、ディスコは今週25日に決算発表を控えていることで、機関投資家などの実需筋が積極的に買い向かう動きはまばらとなっている。
株探ニュース