話題株ピックアップ【夕刊】(1):航空電子、エーザイ、第一三共
■日本航空電子工業 <6807> 2,510円 +179 円 (+7.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
日本航空電子工業<6807>が急伸。24日の取引終了後、24年3月期の連結決算発表にあわせ、25年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比1.9%増の2300億円、経常利益は同8.4%増の160億円を見込む。また前期の期末配当をこれまでの予想から5円増額修正したうえで、今期の年間配当予想は同5円増配の60円とした。更に、同社は2200万株(発行済み株式総数の23.83%)を5月17日に消却することも発表しており、これらを好感した買いが集まった。今期の業績予想の前提となる為替レートは1ドル=145円とした。携帯機器市場では一部製品で顧客の生産終了の影響を見込む。一方、自動車向けは先進運転支援システムや自動運転の進化に伴う需要拡大が見込まれると想定。産業機器市場ではAIの普及拡大を背景に、下期には半導体製造装置に関連する需要の回復が期待されるという。24年3月期の売上高は前の期比4.3%減の2257億8100万円、経常利益は同22.8%減の147億6200万円だった。
■キムラユニティー <9368> 1,761円 +48 円 (+2.8%) 本日終値
キムラユニティー<9368>が底堅い。25日午前11時、24年3月期の連結決算発表にあわせ、25年3月期の業績予想を開示し、今期の売上高が前期比2.4%増の630億円、最終利益は同7.1%増の33億円となる見通しを示した。前期に続き過去最高益の更新を見込む。年間配当予想は同5円増配の60円としたことも相まって、評価されたようだ。賃上げ率を6%以上と見込んだうえで、増益を確保する計画。主力の物流サービス事業ではエリア戦略の推進など領域拡大効果を見込むほか、自動車サービス事業でも増収増益を予想する。
■エーザイ <4523> 6,259円 +170 円 (+2.8%) 本日終値
全体相場が軟調な地合いにあって、エーザイ<4523>が逆行高。同社は24日、米バイオジェン<BIIB>と共同開発した認知症治療薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」に関し、24年1~3月期のグローバルでの売上収益が28億3000万円となり、前四半期となる23年10~12月期比で約2.7倍となったと発表。好調な販売状況が収益面に及ぼすポジティブな効果を期待した買いが入ったようだ。バイオジェンの決算発表にあわせて、エーザイはレカネマブの売上収益速報を開示した。エーザイの24年3月期業績は5月15日に発表を予定する。
■大垣共立銀行 <8361> 2,281円 +55 円 (+2.5%) 本日終値
大垣共立銀行<8361>がしっかり。24日の取引終了後、24年3月期の純利益が計画を32億円上回る94億円(前の期比94.8%増)に上振れして着地したようだと発表。これが株価の支援材料となった。経常利益は計画を43億円上回る144億円(同53.6%増)で着地したようだ。貸出金利息や役務取引等利益が想定を上回った一方、経費が計画を下回る見込みとなった。
■なとり <2922> 2,128円 +24 円 (+1.1%) 本日終値
なとり<2922>が続伸。24日の取引終了後、24年3月期の連結業績に関し、売上高が計画を18億円上回る475億円(前の期比5.3%増)、最終利益が計画を2億9000万円上回る14億円(同3.4倍)で着地したようだと発表した。あわせて期末配当予想を1円増額して12円に見直しており、好感された。価格改定の効果に加え、コストコントロールなどの施策が奏功した。年間配当予想は23円(同1円増配)となる。
■エンプラス <6961> 8,420円 +90 円 (+1.1%) 本日終値
エンプラス<6961>は朝安後に切り返す展開。24日の取引終了後、24年3月期の連結業績について、売上高が計画を17億円下回る378億円(前の期比10.5%減)、最終利益が計画を8億円下回る34億円(同26.4%減)で着地したようだと発表した。セミコンダクター事業では、サーバー用途とモバイル用途の市場調整が継続し、回復時期に遅れが発生した。光トランシーバー関連での部品不足の影響もあって、光学デバイスの売上高も一時的に減少した。これを受けて朝方は売りが先行したものの、いったん悪材料出尽くしとの受け止めもあり、下値では押し目買いが入ったようだ。
■栄研化学 <4549> 2,025円 +20 円 (+1.0%) 本日終値
栄研化学<4549>が小反発。24日の取引終了後、自己株式の消却を発表。株式の再放出による潜在的な需給悪化リスクが後退したと受け止めた買いが入ったようだ。3月末時点の発行済み株式総数の3.75%に相当する150万株を4月26日に消却する。
■第一三共 <4568> 4,766円 +37 円 (+0.8%) 本日終値
第一三共<4568>が後場に買われ、前日比で一時5%を超す上昇となった。25日午後1時に24年3月期の連結決算発表とともに、取得総数5500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.87%)、取得総額2000億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。あわせて25年3月期の年間配当を前期比10円増配の60円とする予定も示し、株価の支援材料となったようだ。25年3月期は売上収益が同9.3%増の1兆7500億円、最終利益が同5.3%減の1900億円となる見通し。「エンハーツ」や「リクシアナ」、「タリージェ」など主力製品の販売伸長を見込む。一方、米ドル建て金融資産の減少により受取利息が減るほか、第一三共エスファの株式譲渡決定に伴う税効果会計の影響で前期の税金費用が減少した反動が出ることから、最終減益を予想する。自社株の取得期間は4月26日~25年1月15日。取得した自社株は25年1月31日に消却する。
■ルネサス <6723> 2,534円 +12.5 円 (+0.5%) 本日終値
ルネサスエレクトロニクス<6723>が続伸で一時2600円台を回復、75日移動平均線を上抜き、25日移動平均線とのマイナスカイ離も一気に解消する強調展開をみせている。同社が25日朝に発表した24年1~3月期決算は営業利益が前年同期比37%減の778億3600万円と低調だった。円安進行は追い風となったものの、車載マイコン需要が振るわなかった。ただ、機関投資家の貸株調達による空売りの買い戻しなどを誘発したもようで、株価に浮揚力が働いている。市場では「第1四半期の営業利益は710億円がコンセンサスで、そこから大きく上振れたことがショート筋を慌てさせた。また値ごろ感からの追随買いも誘ったようだ」(中堅証券ストラテジスト)という見方が示されていた。
■シーユーシー <9158> 1,790円 -387 円 (-17.8%) 本日終値
シーユーシー<9158>が急落し、上場来安値を更新した。24日の取引終了後、24年3月期の連結決算発表にあわせ、25年3月期の業績予想を開示した。今期の売上収益は前期比29.9%増の429億円となる見込み。最終利益は同15.2%減の22億円と、計画を上振れして着地した前期の水準から減益を予想する。前期にあった米国子会社への貸付に関連する為替差益の影響を除外した調整後の最終利益は同5.6%増の22億円となる見通しも示したが、失望売りが膨らむ格好となった。居宅訪問看護セグメントではコロナ関連サービスなどの売り上げの減少を予想するほか、米国事業の成長や事業間シナジーの創出に向けた一定程度の費用増を見込む。24年3月期の売上収益は計画を11億6200万円上回る330億2500万円(前の期比6.2%減)、最終利益が計画を5億6200万円上回る25億9500万円(同7.1%増)となった。米国でのクリニック運営企業を連結子会社化した影響に加え、米国子会社へのグループ内貸付に関する為替差益の発生などがあり、計画を上振れて着地した。
株探ニュース