NY株式:NYダウは87ドル高、利上げへの脅威は後退
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は87.37ドル高の37,903.29ドル、ナスダックは52.34ポイント安の15,605.48で取引を終了した。
民間部門の雇用統計が予想を上回りまちまちで寄り付いた。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見気配が強まる中、3月JOLT求人件数や4月ISM製造業景況指数が予想を下回ったため長期金利低下に連れ相場は堅調に推移した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)はFOMCで予想通り政策金利据え置きを決定、利下げが遅れる可能性を示唆したもののパウエル議長が「次の行動が利上げになる可能性が少ない」としたため利上げへの脅威が後退し、買戻しが加速した。終盤にかけて失速しダウは上げ幅を縮小、ナスダックは再びマイナス圏に落ち込みまちまちで、終了。セクター別では、小売・公益事業が上昇した一方、半導体・同製造装置が下落した。
製薬会社のファイザー(PFE)は第1四半期決算でコスト削減や新型コロナウイルス感染症治療薬の売上高が警戒されたほど減少しなかったため内容が予想を上回り上昇。オンライン小売のアマゾン(AMZN)はクラウド関連の売り上げが強く、上昇。ソーシャル・ネットワーキング・サイトを運営するピンタレスト(PINS)はユーザーや広告収入の強い伸びが好感され、上昇した。
総合ヘルスケア会社のCVSヘルス(CVS)は65歳以上のシニアや65歳未満の障がい者、末期腎不全患者を対象とした連邦政府による健康保険、メディケアを巡るコスト上昇がひびき、想定以上に見通しが弱く下落。クレジットカード会社のマスターカード(MA)は通期の収益見通しを引き下げ、下落。コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は四半期決算で消費者が節約志向を強めたため2020年以来の減収を計上し、下落した。半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はゲーム用ハードウエア向け半導体の需要不振が重しとなり第2四半期の見通しが予想に満たず、失望感から売られた。
半導体メーカーのクアルコム(QCOM)は取引終了後に四半期決算を発表。売上高予想が市場予想を上回り、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》