北海電が超低PER見直しで切り返し急、空売り買い戻しで株価に浮揚力も
北海道電力<9509>が切り返し急、一時8.4%高の1209円まで上値を伸ばした。大型連休中は経済活動の低下で電力需要も減少傾向となるが、5月中旬以降は夏場が近づくに従い、エアコンの稼働などで電力需給の逼迫が意識されやすくなる。また、同社は将来的にラピダスの千歳工場が稼働した際の膨大な電力需要に対応することで、泊原発の再稼働に向けた動きなどが株価の刺激材料となりやすい。足もとの業績も急変貌しており、24年3月期は電力料金の値上げ効果と「期ずれ差益」が反映され最終損益が662億100万円の黒字(前の期実績は221億9300万円の赤字)で、一気に過去最高利益更新となった。25年3月期はその反動で最終利益は前期比35%減の430億円を見込むが、それでも予想一株利益202円から換算されるPERは6倍未満と割安感が際立つ。株式需給面では、4月中旬以降に貸株市場を経由した機関投資家による空売りが溜まっており、足もとではその買い戻しが株価に浮揚力を与えているとみられる。