横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (50)2024年後半戦に備える!絶好の買い場到来か、さらなる調整かの分岐点
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
日経平均株価はついに4万円の大台を突破し、3月22日には4万1087円まで上昇して史上最高値を更新しました。1月4日大発会に付けた安値の3万2693円からの上昇率がおよそ26%にも達したことで、"強い株式市場"があったが故の好パフォーマンスを、自身の才覚によるものと過信されてしまった方も少なくなかったかもしれません。ところが、そうした熱気に包まれた株式市場を襲った本格調整は、下落率が11%に迫るものとなりました。この崩落に巻き込まれて、冷静に己(おのれ)を取り戻した方もいることでしょう。
幾度も繰り返してきましたが、株価は上昇すれば、下落するものです。そして、株価はその時々の経済や企業業績などのファンダメンタルズによって形成されていきます。つまり、経済状況が上向きそうな時に、業績成長が期待できる銘柄を、その株価が割安なタイミングで買うことができれば、株式投資で勝つ確率を高めることができるわけです。
ただし、楽観一色に覆われた株式市場が不測の事態に見舞われると、一斉にパニック的な売りが広がり、テクニカル分析も、ファンダメンタルズ分析も無視してほとんど全ての銘柄がバーゲンセールの状態まで売られてしまうことがあります。このような状況に陥った場合は、残念ながら流れに逆らうだけ無駄です。抗おうとしたところで精神も削られてしまいますので、逆襲のチャンスに備えてその時を待ちましょう。
図1 日経平均株価 日足
ところで、足もとの日経平均株価を見ると、中東情勢を巡る地政学リスクが若干後退した影響があるのか、ようやく落ち着きを取り戻してきたようで、3万8000円を挟んでの推移が続いています。
前回の本コラムで、「経験則的には暴落を判定する場合、下げ幅が10%を超えると暴落のスタートラインに立ったと考えられます」と述べましたが、このスタートラインで踏みとどまって、今後、絶好の押し目を形成していくのか、それとも暴落へのカウントダウンが始まっているのかは、現時点で分析することはまだ難しいと言えるでしょう(本稿執筆は4月26日時点)。
今回は、今後の投資戦略を立てる際に最低限知っておきたい株価(目標値)の計算法であるリトレースメントについて解説していきます。
株探ニュース