メディアS Research Memo(1):ブレインテック・DTxに収益化の兆し。投資有価証券売却益により上方修正

特集
2024年5月8日 15時01分

■要約

メディアシーク<4824>は、2000年に設立されたシステム開発の専門企業で、長年にわたり特定の領域で高い実績を誇っている。市場のニーズに応じて5つの事業ポートフォリオを策定している。5つの事業ポートフォリオとは、法人向けのシステムコンサルティングサービス「コーポレートDX」、バーコードとQRコードの読み取り機能を搭載したアプリケーションとAI技術の研究開発に焦点を当てた「画像解析・AI」、教育やヘルスケア、エンターテインメントを含む様々なオンラインサービスを提供する「ライフスタイルDX」、治療用アプリの研究開発とブレインテック技術の民間利用を進める「ブレインテック・DTx※」、そしてスタートアップ企業を支援しIPOに至るまでのプロセスを顧客とともに歩む「ベンチャーインキュベーション」である。「コーポレートDX」「画像解析・AI」「ライフスタイルDX」を拡大する一方で、新しい技術の研究開発にも力を入れており、特に社会に良い影響を与える新技術に注力している。加えて、スタートアップ企業との協業を積極的に進めることで、常に最先端の技術領域に挑戦し続けている。2024年7月期第2四半期には、売上高はまだ小さいものの、「ブレインテック・DTx」において、新しいヘルステック事業開発による収益化の兆しが見えてきた。第3四半期には、投資有価証券売却益を計上する見込みであることから、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を上方修正した。

※ 「デジタルセラピューテックス」の略で、デジタル技術による治療を指すが、明確な定義はまだない。

1. 2024年7月期第2四半期の連結業績概要

2024年7月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比13.8%増の479百万円、売上総利益が同20.8%増の202百万円、販管費が同19.0%増の168百万円、営業利益は同30.1%増の34百万円、経常利益は同81.7%増の64百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同54.4%増の40百万円となった。社会全体のDX推進に伴い、ITサービスの需要は引き続き強く、加えて、首都圏に限らず柔軟にエンジニア確保に取り組み、一定の成果をもたらしている。

2. 2024年7月期の連結業績見通し

2024年7月期の連結業績予想を見ると、期初予想では、売上高は前期比6.1%増の924百万円、営業利益は同3.5%増の43百万円、経常利益は同17.7%増の92百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.1%増の61百万円であった。2024年3月に発表した修正予想では、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を上方修正した。売上高、営業利益は期初予想と変わらないものの、経常利益は前期比139.3%増の187百万円、親会社株主に帰属する当期純利益も同110.5%増の127百万円と大幅な増加の見通しだ。第3四半期において、投資有価証券売却に伴い投資有価証券売却益及び投資有価証券売却損を計上する見込みとなったためである。

3. 今後の展望

既存の「コーポレートDX」と「ライフスタイルDX」の基盤を活用し、「画像解析・AI」「ブレインテック・DTx」「ベンチャーインキュベーション」のほか、「次世代技術開拓」に向けた積極的な投資を進めている。「コーポレートDX」で安定した利益を確保し、「ライフスタイルDX」では自社商品「マイクラス」の販売拡大を図るなか、「画像解析・AI」においては応用技術の開発によりバーコードリーダー/アイコニットのプラットフォームを進化させるほか、デジタルヘルスケア分野の「ブレインテック・DTx」と非医療分野の市場拡大を目指している。ベンチャー企業のIPOを通じてキャピタルゲインを得る戦略を継続するほか、上場企業への投資も活発に行っており、新しいコンサルティングビジネスモデルによる企業価値の向上も狙う。次世代技術への投資も計画しており、さらなる純資産拡大と持続的な成長を目指す。

■ Key Points

・2024年7月期第2四半期は増収増益

・2024年7月期第3四半期における経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の大幅な増加見込みで、通期予想を上方修正

・引き続き次世代技術への投資を進め、さらなる純資産拡大と持続的成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《HH》

提供:フィスコ

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