英アームが決算受け時間外で7%下落 通期売上高見通しが予想下回る=米国株個別

材料
2024年5月9日 6時01分

(NY時間17:00)(日本時間06:00)時間外

アーム<ARM> 98.57(-7.50 -7.07%)

半導体設計の英アーム<ARM>が時間外で下落。引け後に1-3月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、第1四半期の見通しは予想を上回っている。ただ、株価は時間外で冴えない反応を示している。通期の売上高見通しが予想を下回っていることが嫌気されている模様。業界のAIへの投資意欲が鈍化しているのではとの懸念も高めている。

IPO後初の前回の決算では明るい見通しを示し、株価は急騰していた。ウォール街のAI寵児となり、株価は今年40%超上昇していた。

ハースCEOはインタビューで「われわれは長期的な成長に非常に自信を持っている。数年前に実施した戦略の多くは全て上手く行っている」と語った。

同社は半導体業界で珍しい役割を担っている。ソフトウェアがチップと通信するための基本的な命令セットをライセンスしているほか、クアルコム<QCOM>などの企業が製品を製造するために使用する、いわゆるデザインブロックも提供している。

同社は製造段階に直接持ち込むことができる、より完璧な設計図を提供する方向に向かっているが、このシフトにより、クアルコムのような顧客にとっては競争相手となるが、大規模なデータセンター所有者にとっては価値が高まる。

同社はソフトバンクG<9984>によって90%所有されているが、昨年のIPOでは49億ドルを調達し、その年の米取引所における最大のデビューを飾っていた。

同社の第1四半期のライセンス売上高は60%の増収となったが、ハースCEOは「これは研究開発と投資に対する自信の代用品だ」と語った。

(1-3月・第4四半期)

・1株利益(調整後):0.36ドル(予想:0.30ドル)

・売上高:9.28億ドル(予想:8.80億ドル)

ロイヤルティ:5.14億ドル(予想:5.04億ドル)

ライセンス:4.14億ドル

・営業利益(調整後):3.91億ドル(予想:3.56億ドル)

・営業利益率(調整後):42.1%(予想:40.5%)

(4-6月・第1四半期見通し)

・1株利益(調整後):0.32~0.36ドル(予想:0.31ドル)

・売上高:8.75~9.25億ドル(予想:8.68億ドル)

(25年度通期見通し)

・1株利益(調整後):1.45~1.65ドル(予想:1.53ル)

・売上高:38~41億ドル(予想:40.1億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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