9日の株式相場見通し=買い優勢か、欧州株高と強調続くNYダウに追随
9日の東京株式市場は強弱観対立のなかも押し目買いの動きが勝り、日経平均株価は反発する可能性が高そうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちも独、仏、英など主要国の株価指数は総じて頑強な値動きを継続しており、独DAXと英FTSE100は揃って史上最高値を更新した。米国株市場でもNYダウが6日続伸と上値指向を継続し、3万9000ドル大台を約1カ月ぶりに回復した。FRBによる年内利下げ実施の思惑が再燃しており、これを拠りどころとした株式の相対的な割高感の後退が、投資家のセンチメントを強気に傾けている。この日はFRB高官がインフレ目標の達成には想定していたよりも時間を要するとの見解を示したが、これを特に嫌気する動きは見られなかった。ただ、景気敏感株やディフェンシブストックは買われたものの、米長期金利が強含みで推移したこともあってハイテク株は冴えない値動きをみせるものも目立ち、ナスダック総合株価指数は小幅ながら続落している。東京市場では前日に日経平均株価が先物主導で売り込まれ630円あまりの急落をみせたが、きょうは欧米株市場が強い動きをみせたことで安心感が広がり押し目買いを誘導しそうだ。足もと外国為替市場では円安方向に振れており、輸出セクターには追い風となりやすい。一方、英半導体設計のアーム<ARM>が決算発表後に時間外で大きく株価を下げており、これは半導体関連には逆風で全体指数の上値を押さえる可能性もある。
8日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比172ドル13セント高の3万9056ドル39セントと6日続伸。ナスダック総合株価指数は同29.799ポイント安の1万6302.756だった。
日程面では、きょうは3月の毎月勤労統計、4月上中旬の貿易統計、日銀金融政策決定会合の主な意見(4月25~26日開催分)、4月のオフィス空室率、3月の景気動向指数速報値など。海外では4月の中国貿易統計、1~3月期フィリピンGDP、マレーシア中銀、ポーランド中銀、メキシコ中銀などが政策金利を発表、イングランド銀行(英中銀)の金融政策委員会の結果発表と議事録開示など。