株価指数先物【寄り前】 SQを控え狭いレンジでの推移

市況
2024年5月9日 8時06分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 38380 +170 (+0.44%)

TOPIX先物 2721.0 +11.5 (+0.42%)

シカゴ日経平均先物 38425 +215

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

8日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500ナスダックは下落。利下げ開始時期の先送り懸念が後退するなか、NYダウは6営業日続伸で4月3日以来の3万9000ドルを回復した。ただし、米ボストン連銀のコリンズ総裁が、インフレ率が確実に2%目標に向けた軌道を維持するには、想定以上に長く金利を高水準に維持する必要があるとの考えを示した。来週には米連邦準備制度理事(FRB)が重視する4月の米卸売物価指数(PPI)、米消費者物価指数(CPI)の発表が控えていることもあり、半導体株の一角には持ち高調整や利益確定の売りが出やすく、ナスダック指数は続落。S&P500業種別指数は銀行、公益事業、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、商業サービス・用品が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比215円高の3万8425円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万8280円で始まり、その後は軟化し下落に転じると、3万8160円まで売られた。ただし、米国市場の取引開始後はリバウンド基調からプラスに転じ、3万8260円から3万8370円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れる形で一時3万8440円まで買われ、3万8380円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢で始まることになりそうだ。前日の日経225先物は25日移動平均線に上値を抑えられる形での下落により、75日線水準まで調整した。ナイトセッションでは75日線を挟んでの狭いレンジ推移となっており、週末に5月限のオプションSQ(特別清算指数算出)を控えていることもあって、自律反発にとどまりそうである。

25日線は下向きで推移しており、75日線とのカイ離が縮小している。早い段階で25日線を明確に上放れることができないと、ボリンジャーバンドの-1σ(3万7820円)が意識されることになりそうだ。3万8000円接近では押し目待ち狙いのロングにより底堅さは意識されそうだが、オプション権利行使価格の3万8375円を中心とした上下の権利行使価格3万8125円から38625円辺りで狭いレンジを想定する。

決算発表がピークを迎えているほか、来週には米CPIなどインフレの重要指標発表が予定されているため、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られる。スキャルピング中心のトレードになりやすく、レンジ下限では押し目狙いのロング対応、レンジ上限では戻り待ち狙いのショートに向かわせよう。

8日のVIX指数は13.00(前日は13.23)に低下した。米利下げの先送り懸念が後退するなか、小動きではあるが低下傾向にあり、リスク選好が強まろう。3月21日に付けた直近安値12.40を捉えてくる局面では、ショートカバーを誘う流れが強まる可能性がありそうだ。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.10倍に低下した。一時14.16倍に上昇する場面も見られたが、同水準で推移している200日線に上値を抑えられる形となった。ファーストリテイリング <9983> [東証P]や東京エレクトロン <8035> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株の下げが日経平均型の重荷となった。週末には東エレクの決算発表を控えていることもあり、方向性としてはNTショートが入りやすいと考えられる。

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