株価指数先物【寄り前】 3万8000円接近では押し目狙いのロング対応
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38210 -30 (-0.07%)
TOPIX先物 2726.0 -3.0 (-0.10%)
シカゴ日経平均先物 38195 -45
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。5月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は67.4となり、前月の77.2から低下し、6カ月ぶりの低水準だった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ先送り懸念が後退し、NYダウは8営業日続伸した。ただし、1年先のインフレ期待は3.5%と6カ月ぶりの高水準だったことが上値の重荷となった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、消費者サービス、食品・飲料・タバコが上昇した半面、自動車・同部品、小売、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比45円安の3万8195円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比80円高の3万8320円で始まり、一時3万8440円まで買われた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始後に下落に転じると、3万8120円~3万8270円辺りで保ち合いを継続。3万8210円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、75日移動平均線(3万8340円)辺りでの攻防が続きそうである。米国では台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が4月の月次売上高は前年同月比59.6%増の2360億台湾ドル(約1兆1300億円)になったと発表。これを受けてエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買われており、支援材料になりそうだ。国内では東京エレクトロン <8035> [東証P]の決算反応が注目されそうだが、前週は決算を控えて調整が続いていたこともあり、アク抜けの動きをみせてくるようだと、日経平均型を支える形になりそうだ。
日経225先物は、25日線(3万8500円)が抵抗線として機能するなか、75日線を下回ってきたことで、-1σ(3万7740円)が意識されやすいところだ。ただし、国内では決算発表が週前半でピークを通過する。また、今週は米国ではFRBが金融政策を占ううえで重視する4月の米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、シグナル転換のきっかけになる可能性があるだろう。
25日線と75日線との乖離が縮小しており、75日線辺りでの底堅さをみせて、CPIを無難に通過できれば、25日突破を試す展開が意識されてくる。また、節目の3万8000円水準での底堅さもみられていることから、押し目待ち狙いのロングでの対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジを想定する。
10日のVIX指数は12.55(前日は12.69)に低下した。4月19日に付けた21.36をピークに低下傾向が続き、昨年3月21日に付けた12.40に接近してきた。ダブルボトムが意識されやすい一方で、CPIの結果を受けて年後半の利下げ期待が強まるようだと、ショートカバーを強めてくる展開がありそうだ。
なお、週末のNT倍率は先物中心限月で14.01倍に低下した。先週は14.16倍辺りで推移する200日線に跳ね返される形で低下傾向をみせており、週末には一時13.99倍まで下げる場面も見られた。直近のボトム圏に接近してきたことで、いったんはNTショートを巻き戻す動きが入りやすい水準である。
株探ニュース