話題株ピックアップ【昼刊】:カバー、パークシャ、三井松島HD

注目
2024年5月14日 11時40分

■堺化学工業 <4078>  2,520円  +500 円 (+24.8%) ストップ高買い気配   11:30現在  東証プライム 上昇率トップ

堺化学工業<4078>がストップ高の2520円水準でカイ気配となっている。13日の取引終了後に発表した25年3月期連結業績予想で、営業利益を54億円(前期比83.5%増)と大幅増益を見込み、年間配当予想を前期比55円増の125円としたことが好感されている。売上高は870億円(同6.0%増)と見込む。電子材料市況の回復により誘電体材料(高純度炭酸バリウム)や誘電体(チタン酸バリウム)の復調が見込まれることに加えて、事業ポートフォリオ全体での採算是正などの実施により収益性の改善を計画している。24年3月期連結決算は、売上高821億500万円(前の期比2.1%減)、営業利益29億4200万円(同33.2%減)となった。市況の低迷を受けて販売数量が落ち込んだことで売上高は従来予想の840億円を下回ったが、高収益率の製品の出荷が重なったことが利益を押し上げ、営業利益は従来予想の19億円を大きく上回って着地した。同時に、27年3月期に営業利益90億円を目指す中期経営計画を発表した。高付加価値品シフトを企図した事業ポートフォリオ入れ替えなどに取り組むとしている。

■アドベンチャー <6030>  3,990円  +700 円 (+21.3%) ストップ高   11:30現在

アドベンチャー<6030>がストップ高。13日の取引終了後、取得上限80万株(自己株式を除く発行済み株数の10.63%)、または25億円とする大規模な自社株買いの実施を発表。これを好感した買いが集まっている。期間は5月14日から8月30日まで。あわせて、これまで未定としていた24年6月期業績予想を開示し、売上高を前期比9.8~14.8%増の220億~230億円、純利益を同55.7~39.8%減の8億1000万~11億円とした。海外航空券やレンタカーなどのサービスが好調に推移する一方、M&Aや海外子会社設立による一時的なコストが発生する見通し。

■カバー <5253>  2,080円  +365 円 (+21.3%)  11:30現在

カバー<5253>が大幅続伸となっている。同社は13日取引終了後に25年3月期通期の単独業績予想を公表し、営業利益を前期比31.8%増の73億円としていることなどが買い手掛かりとなっているようだ。売上高は同20.9%増の364億8100万円を見込む。同社は「VTuberビジネスの確立」「IPビジネスへの進化」「クリエイター経済圏の拡大」の3段階の事業戦略を定めており、これらに沿って内製での事業開発、外部企業との戦略的パートナーシップ、M&Aなどにより能力拡充を図り、持続的な成長を目指すとしている。また、東証プライム市場(現在はグロース市場)への市場区分変更申請に向けた準備を行っていることも明らかにした。なお、現時点では変更申請日や承認日は未定で、不確定な要素もあることから変更申請に向けた準備を中止する可能性があるという。

■古河電気工業 <5801>  4,097円  +648 円 (+18.8%)  11:30現在  東証プライム 上昇率3位

古河電気工業<5801>が大口の買い注文に寄りつかずカイ気配スタート。13日取引終了後に発表した24年3月期決算は営業利益が前の期比28%減の111億7100万円だったが、従来計画の50億円から大幅に上振れして着地した。また、25年3月期の業績予想については車載ハーネスの拡販など自動車部品が牽引する形で利益採算が急回復、営業利益は前期比2.2倍の250億円を見込んでいる。これを好感する買いが集中した。同社株は年初から25日移動平均線をサポートラインとする一貫した下値切り上げチャートを形成、同社株は日経225採用銘柄だが、4月以降に日経平均株価が値を崩した後も上昇トレンドを維持していた。きょうは好決算見通しを受け同移動平均線を足場に一段の上値追い態勢に入った。

■パークシャ <3993>  5,020円  +700 円 (+16.2%) ストップ高買い気配   11:30現在

PKSHA Technology<3993>に物色人気集中。ディープラーニングを活用して業務効率化を実現するアルゴリズムモジュールとアルゴリズムソフトウエアの開発を主力とし、人工知能(AI)関連の代表的な銘柄の一角を担う。足もとの業績も会社側の想定を上回って好調に推移しており、13日取引終了後に24年9月期業績予想の増額修正を発表した。売上高は従来予想の160億円から168億円、最終利益は15億円から20億円に大幅上方修正した。これがポジティブサプライズとなり投資資金の攻勢を誘っている。

■三菱製紙 <3864>  762円  +100 円 (+15.1%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率4位

三菱製紙<3864>は続急騰で連日の新高値、前日の後場から目を見張る上昇パフォーマンスをみせマーケットの視線を集めている。製紙業界の中堅で情報用紙のほか、感光材など機能材料にも展開する。価格改定に伴う採算改善効果に加え、生産合理化やコスト削減努力が反映されて利益は急回復局面に突入している。前日の後場取引時間中(午後2時)に発表した24年3月期の決算は営業利益が前の期比5.6倍の54億1000万円と大幅な伸びを達成、続く25年3月期も前期比48%増の80億円を見込んでおり、これがサプライズとなり決算発表を境に大口の投資マネーを呼び込んだ。同社株は投資指標面の割安感が際立っていることも追随買いを誘う背景にある。2営業日にわたる株価急上昇を経た段階でも、PER4倍、PBR0.3倍台と依然として水準訂正余地の大きさを物語る。

■三井松島HD <1518>  5,390円  +705 円 (+15.1%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率5位

三井松島ホールディングス<1518>が3連騰してストップ高の5390円に買われ、年初来高値を更新している。13日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)と共同保有者の保有割合が6.97%と新たに5%を超えたことが判明しており、思惑的な買いが入っているようだ。保有目的は投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこととしており、報告義務発生日は5月2日となっている。なお、三井松島HDは13日の取引終了後に25年3月期業績予想を発表。売上高560億円(前期比27.7%減)、営業利益49億円(同80.5%減)、純利益28億円(同81.5%減)を見込む。生活関連事業で前期第4四半期に連結子会社化したジャパン・チェーン・ホールディングスが通年寄与するものの、エネルギー事業で石炭関連事業が終了したことが影響する。

■サワイGHD <4887>  6,480円  +835 円 (+14.8%) 一時ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率6位

サワイグループホールディングス<4887>が一時ストップ高の6645円に買われ年初来高値を更新している。13日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表しており、好感されている。投資単位当たりの金額を引き下げることで株主がより投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大と流動性の向上を図ることが目的という。また、同時に発表した25年3月期連結業績予想で、売上高2020億円(前期比14.2%増)、営業利益260億円(同39.6%増)、純利益300億円(同2.2倍)を見込み、配当は中間78円、期末27円と実質増配を予定していることも好材料視されている。人材採用や育成の強化、第2九州工場新固形剤棟の稼働開始によりコストは増加するものの、23年度以降に発売した近年上市品の売り上げ増や、既存品の販売数量増加などによる売上高の増加により吸収する見通しだ。なお、24年3月期決算は、売上高1768億6200万円(前の期比8.0%増)、営業利益186億2000万円(同16.0%増)、純利益136億9500万円(同8.1%増)だった。

■日本システム技術 <4323>  1,857円  +234 円 (+14.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率7位

13日に決算を発表。「今期経常は12%増で6期連続最高益、実質増配へ」が好感された。

日本システム技術 <4323> [東証P] が5月13日大引け後(16:00)に決算を発表。24年3月期の連結経常利益は前の期比16.8%増の28.6億円になり、25年3月期も前期比11.8%増の32億円に伸びを見込み、6期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。14期連続増収、10期連続増益になる。

⇒⇒日本システム技術の詳しい業績推移表を見る

■大林組 <1802>  1,908円  +231.5 円 (+13.8%)  11:30現在  東証プライム 上昇率8位

大林組<1802>が急反発。13日の取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を前期比7.9%増の2兆5100億円、営業利益を同17.2%増の930億円と発表。前期から一転増益となる見通しを示したほか、増配も見込んでおり、これらを好感した買いが入っている。配当は前期分を72円から75円に引き上げた上で、今期は80円とした。同時に発表した24年3月期決算は売上高が前の期比17.2%増の2兆3251億円、営業利益が同15.4%減の793億8100万円だった。大型工事の進捗で増収となった一方、前の期に大型不動産の売却益を計上した反動減や貸倒引当金の計上、人件費など販管費の増加が利益面で重荷となった。

■オプトラン <6235>  2,338円  +270 円 (+13.1%) 一時ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率9位

オプトラン<6235>が急騰。13日の取引終了後、24年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比24.7%増の112億9800万円、経常利益は同2.4倍の43億2400万円と大幅な増収増益となり、経常利益の通期計画に対する進捗は第1四半期ながら約57%に上った。好調な滑り出しとなったことを好感した買い注文が集まっている。AIスマートフォン向けカメラモジュールや光学部品の販売が好調だったほか、利益率の高いALD(原子層堆積法)装置の販売も貢献。調達コストの削減など原価改善の取り組みや、為替差益の計上も寄与した。

■ミラースHD <8897>  549円  +51 円 (+10.2%)  11:30現在

MIRARTHホールディングス<8897>がマドを開けて急伸し、年初来高値を更新した。13日の取引終了後、24年3月期の連結決算発表にあわせ、25年3月期の業績予想を開示。今期の最終利益は前期比30.8%増の107億円と、前期に続き過去最高益の更新を見込む。年間配当予想は同6円増配の30円としており、評価されたようだ。今期の売上高は同11.1%増の2057億円を見込む。不動産事業では新築分譲マンションで首都圏のみならず地方の中心市街地への供給を積極的に推進。エネルギー事業の拡大やアセットマネジメント事業における運用報酬の拡大も図る。

■コメ兵ホールディングス <2780>  4,615円  +420 円 (+10.0%)  11:30現在

コメ兵ホールディングス<2780>が急反発している。13日の取引終了後に発表した25年3月期連結業績予想で、営業利益80億円(前期比7.3%増)と連続最高益更新を見込み、年間配当予想を前期比12円増の100円としたことが好感されている。個人買い取り、法人仕入れともに強化する方針で、国内外での販売店舗出店、ECの強化、インバウンド需要の拡大などにより売上高は1400億円(同17.2%増)を見込む。人材、販売店舗、ITへの積極投資により上期は減益見通しだが、下期は増収効果などで吸収する見通しで、通期では増益を見込む。なお、24年3月期決算は、売上高1194億5900万円(前の期比38.7%増)、営業利益74億5200万円(同44.2%増)だった。同時に、28年3月期に売上高2500億円、営業利益150億円を目指す中期経営計画を発表した。ブランド・ファッション事業でマルチブランドによる国内外でのシェア拡大を図るほか、資本コストを意識した経営を推進し、事業成長と社会価値の向上を図るとしている。

■武蔵精密工業 <7220>  1,738円  +158 円 (+10.0%)  11:30現在

武蔵精密工業<7220>が切り返し急。年初来高値を更新した。13日の取引終了後、24年3月期の連結決算発表にあわせ、25年3月期の業績予想を開示し、今期の最終利益が前期比38.9%増の110億円になる見通しを示した。7期ぶりに過去最高益を更新する計画で、年間配当予想も同10円増配の50円としており、好感された。今期の売上高予想は同2.8%減の3400億円。想定為替レートは1ドル=145円とした。同時に配当方針を変更。配当性向に関して30%を目標に掲げたほか、中国メーカーのEV(電気自動車)に搭載される部品の新規受注も発表している。

■ユニオンツール <6278>  5,030円  +455 円 (+10.0%) 一時ストップ高   11:30現在

ユニオンツール<6278>が一時ストップ高。13日の取引終了後、24年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正し、最終利益が43億円(前期比39.7%増)と、これまでの計画に対し16億円上振れする見通しとなったと発表。減益予想から一転、増益の見通しとなり、ポジティブ視されたようだ。通期の売上高予想はこれまでの計画を27億円増額し289億円(同14.1%増)に見直した。生成AI関連市場が拡大するなか、データセンターに設置されるサーバー向けパッケージ基板や高多層基板の需要が拡大し、ユニオンツルの高付加価値工具の引き合いが強まっていると言及。ロジック半導体やメモリー向けの需要回復状況は不透明であるとしながらも、業界全体の需要が想定よりも旺盛になると見込み、稼働率向上による効果が想定できるようになった。円安基調に伴い想定為替レートも1ドル=140円に変更した。

■図研エルミック <4770>  406円  +80 円 (+24.5%) ストップ高買い気配   11:30現在

図研エルミック<4770>がストップ高の406円水準でカイ気配となっている。親会社の図研<6947>が13日の取引終了後、同社の完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格430円にサヤ寄せする格好となっている。図研は現在、エルミック株式の40.41%を所有しているが、完全子会社化により一体的で綿密に連携した業務運営を行うことがグループの事業成長に資すると判断したという。買付予定数は374万5024株(下限165万110株、上限設定なし)で、買付期間は5月14日から6月24日まで。TOB成立後、エルミックは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は5月13日付で同社株式を監理銘柄(確認中)に指定している。なお、エルミックはTOBに賛同の意見を表明するとともに、株主に対して応募を推奨している。

■アイスコ <7698>  2,051円  +400 円 (+24.2%) ストップ高買い気配   11:30現在

アイスコ<7698>がストップ高の水準となる前営業日比400円高の2051円でカイ気配となっている。13日の取引終了後、毎年3月末と9月末時点で同社株を100株以上保有する株主を対象に、ハーゲンダッツギフト券をそれぞれ4枚ずつ贈呈する株主優待制度を新設すると発表した。また、今年9月30日を基準日として10月1日付で1株を2株に分割するほか、25年3月期は増益となる見通しも示し、好感されたようだ。25年3月期の売上高は前期比6.9%増の540億円、最終利益は同11.3%増の3億5500万円を見込む。冷凍食品需要の拡大傾向を想定し、フローズン事業の売上高は好調に推移すると見込む。加えて、中期経営計画も公表。27年3月期の売上高を600億円、営業利益を10億円(25年3月期見通しは5億円)とする目標を掲げた。

■アイロムグループ <2372>  2,273円  +400 円 (+21.4%) ストップ高買い気配   11:30現在

アイロムグループ<2372>がカイ気配スタート。13日の取引終了後、米投資ファンドのブラックストーン<BX>と組み、MBO(経営陣が参画する買収)を実施する予定だと発表した。ブラックストーン傘下のビー・エックス・ジェイ・ビー・ツー・ホールディングが非公開化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施する。買い付け価格は1株2800円で、アイロムGの株価はこれにサヤ寄せをする動きとなっている。買い付け予定数の下限は641万6400株で、上限は設定しない。6月中旬ごろにTOBを開始することを目指す。TOB成立後、所定の手続きを経て、アイロムGは上場廃止となる見通し。東京証券取引所は13日、アイロムGを監理銘柄(確認中)に指定した。

■網屋 <4258>  2,310円  +400 円 (+20.9%) ストップ高買い気配   11:30現在

網屋<4258>がストップ高の水準となる前営業日比400円高の2310円でカイ気配となっている。13日の取引終了後に発表した24年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高が12億1300万円、経常利益が2億4000万円となった。経常利益の通期計画に対する進捗率は第1四半期ながら60%に上り、業績の上振れを期待した買い注文が集まったようだ。同社は23年12月期第3四半期より連結財務諸表を作成しており、決算短信の経営成績に前年同期比の増減率の記載はない。サイバー攻撃検知対策としてログ管理製品「ALog」の販売が好調に推移した。

●ストップ高銘柄

アルファ <4760>  2,553円  +500 円 (+24.4%) ストップ高   11:30現在

など、13銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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