話題株ピックアップ【夕刊】(1):堺化学、アドベンチャ、古河電
■堺化学工業 <4078> 2,520円 +500 円 (+24.8%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
堺化学工業<4078>がストップ高。13日の取引終了後に発表した25年3月期連結業績予想で、営業利益を54億円(前期比83.5%増)と大幅増益を見込み、年間配当予想を前期比55円増の125円としたことが好感された。売上高は870億円(同6.0%増)と見込む。電子材料市況の回復により誘電体材料(高純度炭酸バリウム)や誘電体(チタン酸バリウム)の復調が見込まれることに加えて、事業ポートフォリオ全体での採算是正などの実施により収益性の改善を計画している。24年3月期連結決算は、売上高821億500万円(前の期比2.1%減)、営業利益29億4200万円(同33.2%減)となった。市況の低迷を受けて販売数量が落ち込んだことで売上高は従来予想の840億円を下回ったが、高収益率の製品の出荷が重なったことが利益を押し上げ、営業利益は従来予想の19億円を大きく上回って着地した。同時に、27年3月期に営業利益90億円を目指す中期経営計画を発表した。高付加価値品シフトを企図した事業ポートフォリオ入れ替えなどに取り組むとしている。
■アドベンチャー <6030> 3,990円 +700 円 (+21.3%) ストップ高 本日終値
アドベンチャー<6030>がストップ高。13日の取引終了後、取得上限80万株(自己株式を除く発行済み株数の10.63%)、または25億円とする大規模な自社株買いの実施を発表。これを好感した買いが集まっている。期間は5月14日から8月30日まで。あわせて、これまで未定としていた24年6月期業績予想を開示し、売上高を前期比9.8~14.8%増の220億~230億円、純利益を同55.7~39.8%減の8億1000万~11億円とした。海外航空券やレンタカーなどのサービスが好調に推移する一方、M&Aや海外子会社設立による一時的なコストが発生する見通し。
■古河電気工業 <5801> 4,092円 +643 円 (+18.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
古河電気工業<5801>が急騰。13日取引終了後に発表した24年3月期決算は営業利益が前の期比28%減の111億7100万円だったが、従来計画の50億円から大幅に上振れして着地した。また、25年3月期の業績予想については車載ハーネスの拡販など自動車部品が牽引する形で利益採算が急回復、営業利益は前期比2.2倍の250億円を見込んでいる。これを好感する買いが集中した。同社株は年初から25日移動平均線をサポートラインとする一貫した下値切り上げチャートを形成、同社株は日経225採用銘柄だが、4月以降に日経平均株価が値を崩した後も上昇トレンドを維持していた。きょうは好決算見通しを受け同移動平均線を足場に一段の上値追い態勢に入った。
■カバー <5253> 1,995円 +280 円 (+16.3%) 本日終値
カバー<5253>が大幅続伸。同社は13日取引終了後に25年3月期通期の単独業績予想を公表し、営業利益を前期比31.8%増の73億円としていることなどが買い手掛かりとなったようだ。売上高は同20.9%増の364億8100万円を見込む。同社は「VTuberビジネスの確立」「IPビジネスへの進化」「クリエイター経済圏の拡大」の3段階の事業戦略を定めており、これらに沿って内製での事業開発、外部企業との戦略的パートナーシップ、M&Aなどにより能力拡充を図り、持続的な成長を目指すとしている。また、東証プライム市場(現在はグロース市場)への市場区分変更申請に向けた準備を行っていることも明らかにした。なお、現時点では変更申請日や承認日は未定で、不確定な要素もあることから変更申請に向けた準備を中止する可能性があるという。
■パークシャ <3993> 5,020円 +700 円 (+16.2%) ストップ高 本日終値
PKSHA Technology<3993>に物色人気集中、ストップ高に買われた。ディープラーニングを活用して業務効率化を実現するアルゴリズムモジュールとアルゴリズムソフトウエアの開発を主力とし、人工知能(AI)関連の代表的な銘柄の一角を担う。足もとの業績も会社側の想定を上回って好調に推移しており、13日取引終了後に24年9月期業績予想の増額修正を発表した。売上高は従来予想の160億円から168億円、最終利益は15億円から20億円に大幅上方修正した。これがポジティブサプライズとなり投資資金の攻勢を誘っている。
■三菱製紙 <3864> 762円 +100 円 (+15.1%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率4位
三菱製紙<3864>はストップ高で連日の新高値。製紙業界の中堅で情報用紙のほか、感光材など機能材料にも展開する。価格改定に伴う採算改善効果に加え、生産合理化やコスト削減努力が反映されて利益は急回復局面に突入している。前日の後場取引時間中(午後2時)に発表した24年3月期の決算は営業利益が前の期比5.6倍の54億1000万円と大幅な伸びを達成、続く25年3月期も前期比48%増の80億円を見込んでおり、これがサプライズとなり決算発表を境に大口の投資マネーを呼び込んだ。同社株は投資指標面の割安感が際立っていることも追随買いを誘う背景にある。2営業日にわたる株価急上昇を経た段階でも、PER4倍、PBR0.3倍台と依然として水準訂正余地の大きさを物語る。
■三井松島HD <1518> 5,390円 +705 円 (+15.1%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率5位
三井松島ホールディングス<1518>が3連騰してストップ高の5390円に買われ、年初来高値を更新。13日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)と共同保有者の保有割合が6.97%と新たに5%を超えたことが判明しており、思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこととしており、報告義務発生日は5月2日となっている。なお、三井松島HDは13日の取引終了後に25年3月期業績予想を発表。売上高560億円(前期比27.7%減)、営業利益49億円(同80.5%減)、純利益28億円(同81.5%減)を見込む。生活関連事業で前期第4四半期に連結子会社化したジャパン・チェーン・ホールディングスが通年寄与するものの、エネルギー事業で石炭関連事業が終了したことが影響する。
■大林組 <1802> 1,901円 +224.5 円 (+13.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
大林組<1802>が急反発。13日の取引終了後、25年3月期連結業績予想について売上高を前期比7.9%増の2兆5100億円、営業利益を同17.2%増の930億円と発表。前期から一転増益となる見通しを示したほか、増配も見込んでおり、これらを好感した買いが入った。配当は前期分を72円から75円に引き上げた上で、今期は80円とした。同時に発表した24年3月期決算は売上高が前の期比17.2%増の2兆3251億円、営業利益が同15.4%減の793億8100万円だった。大型工事の進捗で増収となった一方、前の期に大型不動産の売却益を計上した反動減や貸倒引当金の計上、人件費など販管費の増加が利益面で重荷となった。
■日本システム技術 <4323> 1,840円 +217 円 (+13.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
13日に決算を発表。「今期経常は12%増で6期連続最高益、実質増配へ」が好感された。
日本システム技術 <4323> [東証P] が5月13日大引け後(16:00)に決算を発表。24年3月期の連結経常利益は前の期比16.8%増の28.6億円になり、25年3月期も前期比11.8%増の32億円に伸びを見込み、6期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。14期連続増収、10期連続増益になる。
■サワイGHD <4887> 6,361円 +716 円 (+12.7%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率8位
サワイグループホールディングス<4887>が一時ストップ高の6645円に買われ年初来高値を更新。13日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表しており、好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで株主がより投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大と流動性の向上を図ることが目的という。また、同時に発表した25年3月期連結業績予想で、売上高2020億円(前期比14.2%増)、営業利益260億円(同39.6%増)、純利益300億円(同2.2倍)を見込み、配当は中間78円、期末27円と実質増配を予定していることも好材料視された。人材採用や育成の強化、第2九州工場新固形剤棟の稼働開始によりコストは増加するものの、23年度以降に発売した近年上市品の売り上げ増や、既存品の販売数量増加などによる売上高の増加により吸収する見通しだ。なお、24年3月期決算は、売上高1768億6200万円(前の期比8.0%増)、営業利益186億2000万円(同16.0%増)、純利益136億9500万円(同8.1%増)だった。
株探ニュース