平山ホールディングス---3Qは2ケタ増収・増益、全事業部門で増収を達成
平山ホールディングス<7781>は15日、2024年6月期第3四半期(23年7月-24年3月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比11.7%増の262.64億円、営業利益は同9.1%増の8.55億円、経常利益は同8.7%増の8.96億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同15.1%増の5.83億円となった。
インソーシング・派遣事業の、売上高は210.39億円(前年同四半期比11.6%増)、セグメント利益は11.02億円(同4.6%減)となった。1月に発生した能登半島地震によりサプライチェーン混乱の影響を受け休業が発生したこと、繁忙期における3月の稼働日数が前年と比較し2日減少したこと、主に自動車関連企業の減産・休業が多く発生する等の悪影響を受けたことが、売上高・利益のマイナス要因となった。一方、食品関連及び医療機器関連は、引き続き底堅く推移した。物流関連、旅客業関連、リテール関連等においては、インバウンドの活況により引き続き旺盛な需要があり、既存取引先からの追加発注のみならず新規受注も好調である。注力業種として新規受注した半導体製造関連についても、緩やかながらも増収に寄与した。なお、第1四半期に連結子会社化した平山GLは本セグメントに計上している。
技術者派遣事業の売上高は22.05億円(前年同四半期比11.7%増)、セグメント利益は1.33億円(同92.6%増)となった。主要顧客である大手製造業の一部で中長期を見据えた技術開発投資の持ち直しが見られ、電子機器の組み込みソフトウェアや半導体関連・生産設備関連の技術者を中心に、受注は回復基調となった。研修センターでの経験者へのステップアップ研修や顧客ニーズに対応したオーダー研修の実施が高単価案件への配置に寄与し、収益に貢献している。また、AI等に関わる新規分野において新たに取引が開始され、収益の増加に寄与した。
海外事業の売上高は21.59億円(前年同四半期比8.1%増)、セグメント利益は0.68億円(同21.4%増)となった。主力のタイにおいて、製造業生産指数(MPI)が停滞している。タイにおける派遣従業員数は、2023年12月時点で2,806名(前年同月比11.3%減)となったが、高単価顧客の在籍数を維持できた。
その他事業の売上高は8.60億円(前年同四半期比23.8%増)、セグメント利益は2.49億円(同98.2%増)となった。国内の現場改善に係るコンサルティング及び海外からの研修案件が増加した。また、生産性向上のAIソリューション開発に加えて、国内に生産回帰しようとする顧客に対する工場立ち上げ支援のコンサルティング案件が増加した。
2024年6月期通期の連結業績予想については、生産回復による受注が堅調なこと、新卒配属が順調に進み生産に寄与していることから、売上高は前期比8.3%増の343.00億円、営業利益は同34.3%増の12.00億円、経常利益は同25.5%増の11.90億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同27.5%増の7.00億円とする期初計画を据え置いている。
また、同日、迅速な業容拡大に対応するため、主要5行からの資金調達10億円を発表している。
《SI》