話題株ピックアップ【夕刊】(1):日本KFC、MS&AD、伊勢化
■日本KFC <9873> 6,400円 +1,000 円 (+18.5%) ストップ高 本日終値
日本KFCホールディングス<9873>がストップ高。20日の取引終了後、米投資ファンドのカーライル・グループ<CG>が日本KFCに対し、完全子会社化を目的に株式公開買い付けを実施すると発表した。買い付け価格は1株6500円で、日本KFCの株価はTOB価格にサヤ寄せする動きをみせた。買い付け予定数の下限は707万3300株で、上限は設定しない。買い付け期間は5月21日から7月9日まで。TOB成立後、所定の手続きを経て、同社株は上場廃止となる見通し。日本KFCはTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。東京証券取引所は20日、日本KFCを監理銘柄(確認中)に指定した。
■MS&AD <8725> 3,149円 +381.5 円 (+13.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>が急騰。20日の取引終了後、24年3月期の連結決算発表にあわせ、今期の業績・配当予想と自社株買いの実施を公表した。自社株買いについては取得総数1億3000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の8.2%)、取得総額1900億円を上限とする。25年3月期の純利益は前期比65.2%増の6100億円と最高益の更新を計画。年間配当予想も実質増配の見通しで、これらをサプライズ視した買い注文が集まった。自社株の取得期間は21日から12月23日まで。今期の年間配当予想は株式分割考慮後ベースで145円とした。株式分割前の水準では435円となる。前期の年間配当270円から実質的な増配となる見込み。なお前期の配当について、同社はこれまでの予想から30円増額している。
■伊勢化学工業 <4107> 23,900円 +2,880 円 (+13.7%) 本日終値
伊勢化学工業<4107>などペロブスカイト太陽電池関連株の一角が買われた。21日付の日本経済新聞朝刊が「曲がるほど薄いペロブスカイト型太陽電池の普及に向け、積水化学工業など国内メーカーや経済産業省、東京都といった約150団体が近く協議会を立ち上げる」と報じたことが刺激になったようだ。ペロブスカイト太陽電池の主原料であるヨウ素を生産する伊勢化、K&Oエナジーグループ<1663>、同太陽電池の製造装置を手掛けるエヌ・ピー・シー<6255>などの上昇が目立つ。
■あみやき亭 <2753> 6,270円 +390 円 (+6.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
あみやき亭<2753>が3連騰。20日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資家がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることが狙いという。効力発生日は10月1日。また、株式分割に伴い、25年3月期の配当予想を中間・期末各50円の年100円から、中間・期末各17円の年34円にすると発表した。株式分割を考慮すると実質増額修正となることから、これも好材料視された。
■BASE <4477> 321円 +18 円 (+5.9%) 本日終値
BASE<4477>が大幅高。同社はこの日、米グーグルが運営するユーチューブが提供する「YouTubeショッピング」との提携を開始したと発表した。BASEのネットショップ作成サービスでショップを開設した顧客はユーチューブの動画上に商品のタグ付けができるほか、顧客自身のユーチューブチャンネルに商品の掲載が可能になるという。これが買い手掛かりとなった。
■芝浦電子 <6957> 6,440円 +360 円 (+5.9%) 本日終値
芝浦電子<6957>が大幅続伸。同社は20日取引終了後、「中期経営計画2024-2026」を策定したと発表。最終年度となる27年3月期の連結営業利益目標を75億円(24年3月期実績は51億400万円)としていることが評価されたようだ。27年3月期の連結売上高目標は385億円(同324億100万円)に設定。新市場の開拓、新製品の開発、多角化、先端技術導入、業務提携・共同開発を実行していくという。
■明電舎 <6508> 3,885円 +165 円 (+4.4%) 本日終値
明電舎<6508>は4日続伸。SMBC日興証券が20日付で投資評価「1」を継続し、目標株価を3300円から4700円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、成長性が高い海外需要を取り込んでいることや営業利益の約半分を占める電力インフラ関連の貢献度の高さ、今後2期間の利益急拡大期待を踏まえれば、バリュエーション拡大余地が大きいと評価。鬼門であったガイダンス公表(例年保守的に提示される傾向)は、保守的傾向は変わらないものの、ボリュームの拡大と懸念材料の一つであったEV が底堅く推移したことで、結果的に堅調に通過したと指摘。今後は、豊富な受注残の売上高転換や一部課題事業の収益性改善、半導体製造装置向け需要の回復を確認していくことで、特に来期の営業利益が現在の市場コンセンサス175億円から同証券予想の195億円へ高まっていく局面と予想している。
■ホットランド <3196> 2,419円 +101 円 (+4.4%) 本日終値
ホットランド<3196>が急伸。2015年以来の高値圏に浮上している。同社はたこ焼きの「築地銀だこ」を展開する。米大リーグのドジャースは日本時間21日、築地銀だこと複数年のパートナーシップ契約を締結したと発表。海外事業の拡大に弾みがつくとの思惑から買いが集まったようだ。築地銀だこはドジャースタジアムに出店している。大谷翔平選手と山本由伸投手が所属するドジャースは今年に入り、日本企業との契約を相次いで締結している。
■エムアップ <3661> 1,211円 +29 円 (+2.5%) 本日終値
エムアップホールディングス<3661>が反発。午前10時20分ごろ、上限を10万株(発行済み株数の0.27%)、または1億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、好材料視された。取得期間は5月22日から5月31日までで、5月16日発表の自社株買いに次ぐ、今月2度目の自社株買い発表となる。
■QPS研究所 <5595> 3,250円 +75 円 (+2.4%) 本日終値
QPS研究所<5595>が続伸。20日の取引終了後に、防衛省から新たに宇宙領域の活用に必要な共通キー技術の先行実証に向けた衛星の打ち上げを受注したと発表したことが好感された。受注金額は15億6500万円で、納期は28年5月期中を予定しているという。なお、同案件の受注は24年5月期業績予想において想定しておらず、また25年5月期以降の業績に与える影響は精査中としている。
株探ニュース