ダウ平均は600ドル超の大幅安 エヌビディアの楽観ムードも強いPMIで現実に引き戻される=米国株概況
NY株式23日(NY時間16:21)(日本時間05:21)
ダウ平均 39065.26(-605.78 -1.53%)
S&P500 5267.84(-39.17 -0.74%)
ナスダック 16736.04(-65.50 -0.39%)
CME日経平均先物 38555(大証終比:-545 -1.41%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は600ドル超の大幅安。エヌビディア<NVDA>の決算を受けて序盤の市場は楽観ムードが広がっていたが、5月調査の米PMIが強い内容となったことで市場は現実に引き戻されたようだ。
米PMIは5月上旬の米企業活動が過去2年間で最も速いペースで加速したことが示唆され、仕入価格も9月以来の2番目の高水準に上昇し、販売価格指数も上昇。インフレの粘着性を示唆する内容でもあり、FRBが高金利を長期化させる理由を与える。
前日のFOMC議事録でややタカ派な雰囲気が広がり、米株式市場はネガティブな反応を示していたが、本日も米PMIに敏感に反応したようだ。今後も米インフレが期待ほど鈍化せず、年内のFRBの利下げ期待が更に後退するのではとの警戒感が徐々に広がっている。短期金融市場では、年内2回の利下げから徐々に1回の可能性にシフトし始めている状況。
最高値更新で上値も重くなっていた中、投資家は一旦手仕舞いを強めたのかもしれない。買いが先行していたIT・ハイテク株もエヌビディアを除く銘柄が一斉に利益確定売りに押され、ナスダックも下げに転じた。主要11セクターの中でエヌビディアの上昇でITは上昇しているものの、消費裁量や金融、産業など他の10セクターが下落。
一方、エヌビディアは1000ドル台に上昇。同社の2-4月期決算(第1四半期)は1株利益、売上高が予想を上回ったほか、AIチップを扱うデータセンター部門の売上高も226億ドルと予想を上回った。第2四半期の売上高見通しも予想を上回っている。増配と株式分割も発表。今回も強気な決算を発表した。
アナリストからは「同社は大きな期待に直面しながらも、再びステップアップし結果を出した。データセンターの売上は好調でガイダンスも印象的だった。高いハードルを再びクリアした」との評価が出ている。
ボーイング<BA>が下落。同社のウェストCFOが金融機関主催のコンファレンスに出席し、キャッシュ創出計画を再度破棄した。
コンサートプロモーターのライブ・ネーション・エンタテインメント<LYV>が下落。米司法省と複数の州で構成するグループが、チケットマスターによるコンサートチケット販売の独占的支配に関連する反トラスト法違反で同社を提訴した。
アンダーアーマー<UAA>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げた。より明確な改善の兆しを待ちたいとしている。
VANSやノースフェイスなどのブランドを所有するVF<VFC>が下落。前日引け後に1-3月期決算(第4四半期)を発表し、1株損益が予想外の赤字となったことや、売上高も予想を下回り、7四半期連続の減収となった。
化粧品のelfビューティー<ELF>が決算を受け大幅高。1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、通期のガイダンスは保守的な見通しを示したものの、アナリストは概ね好意的に受け止めている。
デル・テクノロジーズ<DELL>が上昇。同社はAI関連のサーバーやPC需要にスポットライトが当たっているが、エヌビディアの決算を同社株も好感したようだ。本日はアナリストが「戦術的買い」のリストに加えたことも伝わっていた。
ボーイング<BA> 172.21(-14.07 -7.55%)
ライブ・ネーション<LYV> 93.48(-7.92 -7.81%)
アンダーアーマー<UAA> 6.72(-0.23 -3.31%)
VF<VFC> 11.97(-0.36 -2.92%)
elfビューティー<ELF> 184.77(+29.14 +18.72%)
デル<DELL> 153.57(+5.79 +3.92%)
アップル<AAPL> 186.88(-4.02 -2.11%)
マイクロソフト<MSFT> 427.00(-3.52 -0.82%)
アマゾン<AMZN> 181.05(-2.08 -1.14%)
アルファベットC<GOOG> 175.06(-2.94 -1.65%)
テスラ<TSLA> 173.74(-6.37 -3.54%)
メタ<META> 465.78(-2.00 -0.43%)
AMD<AMD> 160.43(-5.09 -3.08%)
エヌビディア<NVDA> 1037.99(+88.49 +9.32%)
イーライリリー<LLY> 808.45(+5.54 +0.69%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース