株価指数先物【寄り前】 売り一巡後は半導体株にらみの展開に
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38550 -550 (-1.40%)
TOPIX先物 2721.0 -33.0 (-1.19%)
シカゴ日経平均先物 38560 -540
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に下落。新規失業保険申請件数は前週比8000件減少し、21万5000件と予想(22万件程度)を下回った。また、5月の米購買担当者指数(PMI)速報値では、総合PMIが前月比3.1ポイント上昇の54.4と2022年4月以来の高水準だったほか、製造業PMI、サービス業PMIも上昇し、いずれも予想以上だった。インフレ再加速を示す内容と受け止められ、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを急がないとの見方が相場の重荷となり、幅広い銘柄に売りが広がった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置のみが上昇した一方で、自動車・同部品、不動産、消費者サービスの下げが目立った。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比540円安の3万8560円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万9090円で始まり、その後は3万9000円処での底堅さがみられるなか、一時3万9190円まで買われた。ただし、米国市場の取引開始直後に3万9000円を割り込むと、一気に3万8680円まで売られた。売り一巡に3万8930円まで買い戻される場面も見られたが、終盤にかけて再び下へのバイアスが強まり、一時3万8430円まで下落幅を広げ、3万8550円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万8790円)を割り込み、いったんは75日移動平均線(3万8680円)水準から買い戻されたものの、終盤にかけての下げによって同線も下回ってきた。これにより25日線(3万8280円)が射程に入っており、同水準を意識したショートの動きが警戒されそうである。
ただし、前日に予想を上回る決算を発表したエヌビディア<NVDA>は9%を超える上昇となった。織り込まれていると考えられるものの、相場全体が弱い値動きのなかで強さをキープしていたことは安心感につながるだろう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株は朝方こそ売りが先行する動きになるものの、売り一巡後に押し目を拾う動きがみられてくるようだと、先物市場においても押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
もっとも、前日に上回った13週線(3万8930円)を終値でキープすることは期待薄であり、同線が上値抵抗線として引き続き意識されることになる。そのため、売り一巡後のロングにおいても、積極的なリバウンドを狙った動きというよりは、自律反発を狙ったスキャルピング中心のトレードになりそうだ。
レンジとしては25日線が支持線として意識されるとの見方から、オプション権利行使価格の3万8375円から3万8875円とのレンジを想定する。25日線を下回ってくる局面では、-1σが位置する3万7880円とのレンジに移行する可能性がある点には注意しておきたい。
22日のVIX指数は12.77(前日は12.29)に上昇した。11.53と低下して始まり、11.52を安値に切り返す形だった。25日線が13.98に位置しており、これを捉えてくるまではリスク回避姿勢を強める流れにはならないと考えられる。主要株価指数が大幅に下落するなか、ボトム圏での推移である。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。アドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われるなかで日経平均型優位となり、一時14.20倍を付けた。本日は米株安の影響から低下が見込まれるものの、14.14倍で推移している200日線水準での底堅さがみられるようなら、NTロングへの転換になりそうだ。
株探ニュース