24日の株式相場見通し=反落、利下げ観測後退による米株安で心理悪化
24日の東京株式市場で日経平均株価は反落する見通し。前日の米国市場では市場予想を上回る四半期決算と業績見通しを発表したエヌビディア<NVDA>が急騰したが、楽観ムードは広がらなかった。5月の米国の購買担当者景気指数(PMI)の速報値は製造業、サービス業ともに市場予想を上回った。また、週間の新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、米国経済の底堅さが意識され、インフレ環境が長期化するとの見方から米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退。更に、投資家向け説明会で業況に対する慎重な見方が広がったボーイング<BA>が急落したことも、NYダウを押し下げる要因となった。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物6月限は3万8550円で終了。シカゴの日経平均先物6月限は3万8560円で引けた。日経平均株価は前日、エヌビディア株の時間外取引での急伸を受けて3万9100円台まで水準を切り上げたが、NYダウが大幅安となったことで投資家心理の悪化は避けられず、主力株全般に売りが優勢となり下落して始まると想定される。半導体関連株にも利益確定目的の売りが見込まれる。一方、この日は4月の全国消費者物価指数(CPI)が公表される。生鮮食品を除くコアCPIに関しては前年比でプラス2.2%が市場のコンセンサスで、前月から伸び率が鈍化するとの見方が優勢だが、市場予想を上回る結果となった場合には、日銀が早期に利上げに踏み切るとの市場の観測を強める可能性があり、その際には金融セクターを下支えする要因となるとみられている。加えて、ドル円相場は一時1ドル=157円台に乗せるなど円安基調が続いているほか、4月以降、国内の主要企業による自社株買いが相次いで発表されたことは、日本株の下値をサポートする要因となるとみられている。日経平均株価は取引時間中、3万8400円から3万8800円の範囲で推移する公算が大きい。
23日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比605ドル78セント安の3万9065.26ドルと続落。ナスダック総合株価指数は同65.511ポイント安の1万6736.033だった。
日程面では国内では4月の全国消費者物価指数のほか、4月の全国百貨店売上高が公表される予定。海外では米国で4月の耐久財受注と、5月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の発表を控えている。
最終更新日:2024年05月24日 08時11分