ジェーソン Research Memo(10):効率的なマネジメント・組織体制づくりにより事業成長を狙う
■今後の見通し
2. 中長期成長に向けた2025年2月期の取り組み
ジェーソン<3080>は中長期成長に向けて、社内IT・デジタルテクノロジーの高度化を主軸に、徹底したローコスト経営と各種経営戦略を展開し、企業価値向上を推進している。2025年2月期の主な施策として1) 店舗のスクラップ&ビルド推進、2) JV商品やPB商品の取扱拡大、3) 効率的なマネジメント・組織体制づくり、の3点を掲げている。1) については、居ぬき物件を中心としたローコスト出店を推進することに加え、個店ごとの収益管理を徹底し、低収益店舗については退店を検討するほか、店舗拡大に資するM&A情報についても幅広く収集する計画である。2) については、JV商品を中心としたロープライスの訴求により、引き続き物価高に対抗し、SPA(製造小売業)及び新たなPB商品開発等により利益率の改善を図るほか、「尚仁沢の天然水」のさらなる増産体制を構築する計画である。3) については、プロジェクト管理システムの活用によるマネジメント体制の高度化、店舗オペレーションの省人化促進、OEM生産やM&Aに対応可能な管理体制づくりを進める計画である。
同業他社との比較感では、同社同様にローコスト経営に強みを持つ岡山に本社を置くディスカウントストアの大黒天物産は2024年5月期の売上高2,705億円、営業利益89億円、営業利益率3.3%だ。売上高の規模が異なるが、ディスカウントストア業界としては5%程度の営業利益率がひとつの目指すべき水準と弊社では考えており、M&Aが進んで中小のディスカウントストアが淘汰されるなか、利益率を意識して早期に5%を目指すようなオペレーションが投資家目線では求められる。粗利率については大きな上昇が見込みにくいことから販管費を如何に効率化するかに主眼を置くべきであり、製造、販売、配送といった各プロセスを内製化をより進めること、また、自社の物流施設から倉庫管理までを自社化したり、1店舗当たりの人員数を如何に少なく効率的にオペレーションを進めるか、そして、店舗の24時間営業を検討することで、1店舗あたりの売上高のさらなる拡大を狙うなどの施策はさらなる検討余地があるとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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