話題株ピックアップ【夕刊】(2):MS&AD、UBE、H2Oリテイ
■MS&AD <8725> 3,331円 +29 円 (+0.9%) 本日終値
MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>が4連騰となり、上場来高値を連日で更新した。同社は27日に開催した投資家向け説明会で、政策保有株式の売却で得られた資金のうち、2兆1000億円程度を成長投資に充てる方針を示した。株主還元には8000億円程度を充当し、残りは法人税負担分とするほか、政策保有株式の売却が加速した分については特別配当を実施する。株主還元とともに成長投資による企業価値向上への期待を高める格好となり、投資家の資金流入が続いている。成長投資としては、米国やアジアをターゲットとした事業投資や、新たな収益源の構築・多様化につながる事業投資などを想定している。
■UBE <4208> 2,927円 +22 円 (+0.8%) 本日終値
UBE<4208>と三菱マテリアル<5711>が堅調推移。両社が折半出資するUBE三菱セメントは27日、セメント・固化材について、来年4月1日荷渡し分より1トンあたり2000円以上の値上げを実施すると発表。これを材料視した買いが株価を押し上げたようだ。高水準で推移する石炭価格や円安進行を背景にエネルギーコストが高止まりしているほか、2024年問題に伴って物流費なども上昇が見込まれるとし、価格改定に踏み切る。
■H2Oリテイ <8242> 2,308円 +16 円 (+0.7%) 本日終値
エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>が10日続伸。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を2400円から2600円に引き上げた。主力の百貨店事業が好調を持続し、24年3月期の連結営業利益は前の期比2.3倍の261億8800万円と最高益を更新。百貨店事業は、円安や株高なども追い風となり、高額商材やインバウンド売り上げが強い都心店を中心に好調が続いた。25年3月期も百貨店事業が牽引し、同利益は会社計画の265億円(前期比1.2%増)に対して280億円への上振れを見込んでいる。
■ジーエヌアイグループ <2160> 2,100円 +14 円 (+0.7%) 本日終値
ジーエヌアイグループ<2160>が6日ぶりに反発した。28日午前8時半、グループ会社の北京コンチネント薬業が3月に行った「F230」の新薬臨床試験開始申請に関し、中国国家薬品監督管理局の医薬品評価センターから承認を受けたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。F230は、中国で希少疾病に指定されている肺動脈性肺高血圧症の治療薬候補で、北京コンチネント薬業は第1相臨床試験の早期開始を目指すほか、適応症の拡大も視野に入れる。
■トーカイ <9729> 2,088円 +12 円 (+0.6%) 本日終値
トーカイ<9729>が高い。27日の取引終了後、156万株(自己株式を除く発行済み株数の4.4%)を上限に、28日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で自社株を取得すると発表。これが好感された。買い付け価格は27日終値の2076円。なお、東証の自己株式立会外買付取引情報によると、同社は28日に予定通り買い付けを実施。買い付け数量156万株に対し、約定数量は140万株だった。
■日本新薬 <4516> 2,874円 -700 円 (-19.6%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率トップ
日本新薬<4516>がストップ安。27日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「ビルトラルセン」(NS065/NCNP-01)に関し、国際共同第3相試験の解析結果の速報を発表した。主要評価項目において、プラセボ投与群との比較で統計的な有意差が認められなかったとし、失望売りを促したようだ。日本新薬は同日、5カ年の中期経営計画も公表。29年3月期の売上収益を2300億円(25年3月期見通しは1500億円)、営業利益を300億円(同310億円)とする目標を掲げた。
■コーア商HD <9273> 759円 -126 円 (-14.2%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
コーア商事ホールディングス<9273>が急反落。27日の取引終了後、217万4000株の公募増資と32万6000株を上限とするオーバーアロットメントによる売り出しを実施すると発表しており、株主価値の希薄化などに対する懸念から売られたようだ。発行価格は6月5日から10日までのいずれかの日に決定する予定。調達資金19億8392万5000円は、連結子会社コーアイセイへの投融資を通じて、プレフィルドシリンジ製剤の量産を行う蔵王第2工場新設に係る設備投資資金の一部に充てる予定としている。
■エクセディ <7278> 2,588円 -275 円 (-9.6%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
エクセディ<7278>が急落している。27日の取引終了後、アイシン<7259>がエクセディとの資本関係を解消すると発表した。これに伴い、アイシンがグループで保有するエクセディ株を売り出す。エクセディは自社株買いを発表したものの、取得株式数の上限よりも売り出し株数が多く、短期的な需給悪化を警戒した売りが出たようだ。売り出し株数は1411万3400株で、需要状況に応じて上限211万7000株のオーバーアロットメントによる売り出しも予定する。売出価格は6月3日から5日までのいずれかの日に決める。エクセディは取得総数800万株(自己株式を除く発行済み株式総数の17.03%)、取得総額150億円を上限とする自社株買いを5月29日から2025年5月28日の間に実施する。また、連結子会社のエクセディアメリカに関し、共同出資者であるアイシンのグループ会社の保有分を取得し、完全子会社化する。両社が持続的な成長を遂げるには、資本関係の解消によりそれぞれの戦略を推進することが企業価値を最大化するうえで最善だとアイシンは判断した。
■DyDo <2590> 2,566円 -125 円 (-4.7%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
ダイドーグループホールディングス<2590>が3営業日ぶりに反落し、年初来安値を更新した。同社は27日取引終了後、25年1月期第1四半期(1月21日~4月20日)の連結決算を発表。営業損益が6億1100万円の赤字(前年同期は5億3900万円の赤字)となったことがネガティブ視されたようだ。国内のサプリメント通販事業で広告宣伝費が増加したことなどが影響した。一方、ポーランド子会社が連結対象となった効果やトルコ飲料事業が伸長したことを背景に、売上高は前年同期比12.9%増の531億6400万円となった。なお、通期業績予想については引き続き未定としている。
■ウェルスナビ <7342> 1,170円 -49 円 (-4.0%) 本日終値
ウェルスナビ<7342>が7日続落、連日で年初来安値を更新した。今月15日に発表した1~3月期単独決算は売上高が24億7800万円(前年同期比40.1%増)、最終損益が1億2000万円の赤字(前年同期2500万円の赤字)だった。簿価の預かり資産が順調に積み上がったことに加え、株式市場の上昇や円安により時価の預かり資産が大きく増加したことで着実な成長を遂げた。大幅増収により営業損益ベースでは黒字を確保した。一方、2月に発表した三菱UFJ銀行との資本・業務提携に伴い、株式交付費を営業外費用として計上したことが響いて最終損益は赤字となった。これを嫌気した売りが続いている。
株探ニュース