株価指数先物【寄り前】 3万8000円割れを狙ったショートが入りやすい

市況
2024年5月30日 8時02分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 38170 -320 (-0.83%)

TOPIX先物 2718.0 -21.5 (-0.78%)

シカゴ日経平均先物 38315 -175

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

29日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米国債入札で低調な結果が続いたほか、米連邦準備理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)を受けて、米長期金利が5月上旬以来の高水準を付けたことが重荷となった。利下げ時期が後ずれするとの見方が根強く、売りが広がる形となった。S&P500業種別指数はエネルギー、不動産が変わらずだったほかは、資本財、消費者サービス、素材、商業・専門サービス、公共事業の下げが目立った。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比175円安の3万8315円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万8540円で始まり、直後に付けた3万8550円を高値に軟化し、ほどなくして下落に転じた。その後は3万8420円~3万8500円辺りで保ち合ったが、米国市場の取引開始直後に3万8400円を割り込み3万8230円まで売られた。売り一巡後は3万8330円~3万8410円辺りで下げ渋ったが、終盤にかけて再びショート優勢となり、3万8170円とナイトセッションの安値で取引を終えた。

日経225先物は前日の日中取引で25日移動平均線水準まで売られたが、ナイトセッションで同線を下放れる形となった。ボリンジャーバンドの-1σ(3万8020円)に接近してきたことで、-1σと25日線とのレンジが意識されやすく、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジ内での推移が想定される。25日線水準での上値の重さが意識される局面では、節目の3万8000円割れを狙ったショートが入りやすいだろう。

3万8000円に接近する場面では、押し目狙いのロング対応となろうが、週足では13週線に上値を抑えられる形で-1σとのレンジ内での推移を続けており、週足の-1σが位置する3万7830円辺りまでの調整は警戒しておく必要がありそうだ。

一方で、エヌビディア<NVDA>が小幅ながら4日続伸し、連日で最高値を更新している。AI(人工知能)向け半導体の需要を背景に業績拡大が続くとの期待から買われており、センチメントを支える形になっていた。そのため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などは売り一巡後の底堅さがみられる可能性があり、ショートを仕掛けにくくさせそうである。

28日のVIX指数は14.28(前日は12.92)に上昇した。25日線を突破し、75日線(14.32)を捉えてきた。200日線が位置する14.64辺りを越えてくると、リスク回避姿勢に向かいやすく、短期的にはショートが強まりやすくなるだろう。強弱感が対立しやすい水準でもあるため、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られそうだ。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.05倍に上昇した。小動きで明確なトレンドは出ていないが、下向きで推移する25日線(14.07倍)に上値を抑えられる形状をみせている。

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