売り一巡後の底堅さを見極める相場展開に/オープニングコメント
30日の日本株市場は、売り一巡後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。29日の米国市場は、NYダウが411ドル安、ナスダックは99ポイント安だった。7年債入札の低調な結果や地区連銀経済報告(ベージュブック)を受けて米長期金利が上昇したことが重荷となり、利益確定の売りが広がった。シカゴ日経225先物は大阪比175円安の38315円。円相場は1ドル157円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで38170円と安値で終えていることもあり、ギャップダウンからのスタートになりそうである。昨日の日経平均株価は長期金利の上昇が嫌気されるなか、終盤にかけて下落幅を広げていた。米長期金利のほか、ドイツでも5月の消費者物価指数(CPI)速報値の結果を受けて金利が上昇するなか、神経質にさせそうだ。
日経平均株価は支持線として意識されている25日線(38423円)を下回ってくることから、持ち高調整の動きが強まりやすいだろう。節目の38000円に接近する流れが意識されそうであり、同水準での底堅さを見極めることになりそうだ。ただし、米国では幅広く売られるなか、エヌビディアが続伸で連日の最高値を更新している。東エレク<8035>、レーザーテック<6920>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株は売りが先行するものの、売り一巡後の底堅さがみられてくるようだと、押し目狙いのスタンスに向かわせそうである。
ボリンジャーバンドでは-1σが37970円辺りに位置しており、これがサポートとなる可能性があるため、38000円に接近するようだと、売り方の買い戻しの動きも入りやすいだろう。物色としては半導体株の押し目狙いのほか、AI関連への短期的な値幅取り狙いの動きになりそうだ。ただし、グロース250指数は安値を更新していることもあり、中小型株への物色については、やや割り切りスタンスになりそうだ。
《AK》