注目銘柄ダイジェスト(前場):阿波製紙、タマホーム、クオリプスなど
第一パン<2215>:600円(+17円)
大幅反発。固定資産の譲渡を発表している。千葉県松戸市の賃貸用不動産を5月31日に売却、譲渡益13億6500万円を特別利益に計上する見込みとしている。経営資源の有効活用と財務体質の強化を図ることを譲渡の理由としている。売却により調達した資金は、今後の設備投資及び財務体質の改善に充当する予定のようだ。譲渡益計上に伴い、24年12月期純利益は従来予想の2.7億円から16億円に上方修正。
阿波製紙<3896>:564円(+80円)
ストップ高。24年度、25年度2年間を対象とした新中期経営計画の策定を前日に発表している。26年3月期売上高213億円(25年3月期予想176億円)、営業利益7億円(同2.7億円)を目標としている。水処理関連資材、一般産業用資材などの売上拡大を見込んでいるようだ。来年度の高い収益成長見通しをポジティブ視する動きに。なお、中期ビジョンとしては、29年3月期営業利益23億円を目標としている。
アドバンテス<6857>:5353円(-312円)
大幅反落。売買代金上位となっている半導体関連の主力株は総じて売り先行の展開に。長期金利の上昇を受けて米国株式市場が下落、SOX指数も1.8%安となっており、国内半導体関連に影響が波及する形に。7年債入札の低調な結果やベージュブックを受けて、米10年債利回りは4.6%台にまで上昇しており、ハイテク株中心に売り材料へとつながったようだ。
タマホーム<1419>:3955円(-565円)
大幅続落。本日は5月決算企業の配当権利落ち日となっている。24年5月期配当金は期末一括配当の185円を計画しており、前日終値ベースでの配当利回りは4.1%の高水準となっていた。第3四半期までの状況から足元の業績に対する警戒感も強い中、権利落ちに伴う処分売りの動きが強まる形になっているようだ。なお、5月末は株主優待として、100株以上保有株主には500円分(保有3年以上1000円分)のクオカードも贈呈される。
シグマクシス<6088>:1409円(+67円) 1415 +73
大幅反発。前日に業績・配当予想の上方修正を発表している。25年3月期営業利益は従来予想の50.5億円から52.5億円、前期比24.1%増に引き上げ。第1四半期の受注の積み上がりが順調に推移しているほか、取締役の体制変更に伴って販管費も減少する見込みとなったようだ。早い段階での上方修正を受け、今後も一段の上振れが期待される形に。年間配当金も従来計画の32円から34円、前期比7円増に引き上げ。
海帆<3133>:903円(+59円)
大幅に3日続伸。太陽光発電事業を運営するメタエネルギー(東京都千代田区)から貸付資金の回収を完了したと発表している。返済金額は元利合計約1.76億円で、グループの再生可能エネルギー事業に係る固定資産取得などに使用する予定。また、定款を一部変更して医療機関の開設・運営等に関するコンサルティング業務などを新たな事業目的として追加するほか、発行可能株式総数を6055万5600株から2億0307万5600株に拡大する。
クオリプス<4894>:5800円(+580円)
上場来高値。大阪大学が虚血性心疾患に対するヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを用いた治療の効能追加として研究開発を進めている拡張型心疾患の医師主導治験が開始され、クオリプスが1例目の移植用に心筋細胞シートを提供したと発表している。拡張型心疾患の研究開発は、日本医療研究開発機構(AMED)の令和5年度「再生医療等実用化研究事業」に採択されている。
サイジニア<6031>:1052円(+34円)
年初来高値。24年6月期の期末配当予想を従来の4.50円から5.00円(前期末実績5.00円)に増額修正している。業績動向と内部留保の充実度を鑑みた措置。また、8月31日(実質的には8月30日)を基準日として、1株につき2株の割合で分割する。投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図ることが目的。効力発生日は9月1日のため、24年6月期の期末配当には影響しない。
《ST》