話題株ピックアップ【昼刊】:関西ペ、サイボウズ、フジHD

注目
2024年5月31日 11時37分

■関西ペイント <4613>  2,581.5円  +279 円 (+12.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率トップ

関西ペイント<4613>はカイ気配スタート。同社は30日の取引終了後、取得総数4000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の19.01%)、取得総額800億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。資本効率の向上に向けた取り組みと株主還元姿勢を好感した買いが入ったようだ。取得期間は31日から2025年5月30日まで。立会取引市場とともに自己株式立会外買付取引(ToSTNeT─3)を通じて買い付けを行う。ToSTNeT─3による買い付けは約150億円を予定。取得した自社株は消却する方針という。

■サイボウズ <4776>  1,699円  +173 円 (+11.3%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位

サイボウズ<4776>がカイ気配スタートで株価水準を一気に切り上げ、底値圏離脱を鮮明としている。同社はグループウェアやノーコードを強みとする業務改善プラットフォームなどクラウドサービスを展開する。30日取引終了後にクラウドサービスの価格体系の改定(料金引き上げ)を発表、これによる収益押し上げ効果が期待されるほか、全社・大規模導入向けkintone(キントーン)「ワイドコース」を7月8日から開始することを発表しており、これを材料視する買いを呼び込んでいる。

■トーエネック <1946>  5,450円  +320 円 (+6.2%)  11:30現在  東証プライム 上昇率9位

トーエネック<1946>が高い。30日の取引終了後、9月30日を基準日として1対5の株式分割を実施すると発表。これを好感した買いが入っている。

■フジHD <4676>  1,743円  +97 円 (+5.9%)  11:30現在

フジ・メディア・ホールディングス<4676>が急反発した。30日の取引終了後、日本経済新聞電子版は「アクティビスト(物言う株主)として知られる米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツが30日、メディア大手フジ・メディア・ホールディングス(HD)にMBO(経営陣が参加する買収)を要求する書簡を送ったことがわかった」と報じた。ダルトンが20%、残りをプライベート・エクイティファンドや経営陣・社員などが取得することを提案したという。報道を材料視した買いが入ったようだ。フジHDの時価総額は足もとで4000億円を上回る水準。日経電子版は、保有不動産の証券化や持ち合い株の売却によってMBOに向けた資金を調達することも提案したと伝えている。

■三井不動産 <8801>  1,437円  +50.5 円 (+3.6%)  11:30現在

三井不動産<8801>や三菱地所<8802>、住友不動産<8830>など、金利上昇デメリットセクターである不動産株が軒並み高となり、東証の業種別指数で「不動産業」が上昇率上位に入っている。円債市場で新発10年債利回り(長期金利)は30日に一時1.1%をつけた後に上昇が一服した。同日実施の2年債入札が無難な結果となったことで、債券需給を巡る警戒感が和らぎ、債券価格に上昇圧力(金利に低下圧力)を掛けた。同日の米債券市場で米長期金利が低下したことも相まって、不動産株に関しては買い戻しの流れが優勢となったようだ。野村不動産ホールディングス<3231>や東京建物<8804>も堅調に推移している。

■IHI <7013>  3,964円  +135 円 (+3.5%)  11:30現在

IHI<7013>が3日ぶりに反発している。午前11時ごろ、子会社IHIエアロスペースと兼松<8020>が、「商用宇宙ステーション用ドッキング機構」を米シエラ・スペース社へ提供することで合意したと発表しており、好材料視されている。パッシブドッキング機構は、シエラ・スペース社が開発する宇宙往還機「ドリームチェイサー」などをはじめとした宇宙機が、宇宙ステーションと確実で安全なドッキングを実現するために宇宙ステーションに搭載される重要な機器。IHIエアロスペースが開発中のパッシブドッキング機構は、国際標準ドッキング機構のIDSSに準拠し、シンプルでありながらも汎用性が高く、高い信頼性を目指しているという。

■マクセル <6810>  1,681円  +46 円 (+2.8%)  11:30現在

マクセル<6810>が続伸、今週28日につけた年初来高値1674円を上抜き新値街道に復帰した。同社は30日取引終了後、全固体電池の作動上限温度を150度に引き上げる技術開発に成功したと発表、これを材料視した買いが集まっている。同社は幅広い領域に対応できる長寿命、高耐熱、高出力、大容量の4つを軸に高性能かつ信頼性の高い全固体電池の開発に取り組んでいる。そのなか、全固体電池の使用用途を拡大するために耐熱性向上の開発を進めてきたが、今回従来品の電極の材料や配合を大きく見直すことで耐熱性を大幅に高めた。

■高千穂交易 <2676>  3,700円  +95 円 (+2.6%)  11:30現在

高千穂交易<2676>が続伸している。30日の取引終了後、米ゲリラRF社(ノースカロライナ州)と販売代理店契約を締結したと発表しており、好材料視されている。今回の代理店契約の締結によって、高千穂交易の製品ラインアップに、広帯域に対応したMMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路)が新しく加わることになる。高千穂交易では、通信インフラ機器・CATV・車載GNSSなどに向けてゲリラRF社製品を販売し、25年度に同社製品の売上高1億円を目指すとしている。

■ネクセラファーマ <4565>  1,430円  +34 円 (+2.4%)  11:30現在

ネクセラファーマ<4565>が続伸している。30日の取引終了後、同社が設計し、協業先であるセンテッサ・ファーマシューティカルズ<CNTA>が開発中の新規オレキシン2受容体作動薬 「ORX750」に関して、センテッサ社から460万ドル(約7億2400万円)のマイルストンを受領することになったと発表したことが好感されている。「ORX750」は過眠症の一つであるナルコレプシー1型治療薬として開発中で、ナルコレプシー2型、特発性過眠症、その他のオレキシン値の減少を伴わない睡眠・覚醒障害にも応用できる可能性を持っている。今回のマイルストン受領は、米食品医薬品局(FDA)に新薬臨床試験開始申請(IND)が受理され、第1相臨床試験が開始されたことに伴うもので、全額を24年12月期第2四半期に売り上げ計上するとしている。

■伊藤園 <2593>  3,711円  +62 円 (+1.7%)  11:30現在

伊藤園<2593>は堅調。30日の取引終了後、取得上限100万株(自己株式を除く発行済み株数の1.13%)、または40億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は6月4日から同月28日まで。あわせて自社株消却の実施も明らかにしており、これが好感されている。7月31日付で普通株式100万株と第1種優先株式150万株を消却する。

■三浦工業 <6005>  3,248円  +54 円 (+1.7%)  11:30現在

三浦工業<6005>が3日続伸している。30日の取引終了後、ダイキン工業<6367>グループと資本・業務提携すると発表したことが好感されている。ダイキンの完全子会社であるダイキンアプライドシステムズの第三者割当増資を引き受け49%を出資し合弁会社化するとともに、自己株式の処分によりダイキンに発行済み株数の4.67%にあたる540万株を割り当てる。ダイキンアプライドシステムズへの出資額は147億円に上る予定で、ダイキンへの自己株式処分により約148億円を調達し出資にあてる。今回の提携により、両社が持つ製品や技術・サービスなどの事業ネットワークを活用することで、日本各地の工場で空調や蒸気ボイラ、水処理システムなど熱・空気・水に関するトータルソリューションの提案をワンストップで実施できるようになり、工場市場でのカーボンニュートラルの実現に向けた具体的な協業が可能であると判断したという。なお、株式取得及び自己株式の処分はいずれも10月1日を予定している。

■タカラバイオ <4974>  1,020円  +17 円 (+1.7%)  11:30現在

タカラバイオ<4974>が堅調な動き。同社は30日、操作性を大幅に向上させた検便検査用PCRキット「TaKaRa腸管系病原細菌 遺伝子検出キット(4波長)1液タイプ」を6月3日に発売すると発表したことが好材料視されている。新製品は、反応液が調製済みの1液タイプで、検体液を添加するだけでPCR検査に使え、反応液の事前の調製が不要なためより迅速・簡便に検査が行えるのが特徴。厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、調理従事者などを対象に主な食中毒原因菌である腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、赤痢菌などの検便検査を求めており、検便検査では、培養検査の前にリアルタイムPCRによるスクリーニング検査が普及しているが、多検体を迅速に処理するために一層の効率化が求められていることから、同社では操作性を向上させた新製品を投入する。

■システナ <2317>  278円  +4 円 (+1.5%)  11:30現在

システナ<2317>が続伸している。同社はソフト開発支援などを手掛ける。30日の取引終了後、4月の月次概況(速報)を開示した。売上高は前年同月比6.0%増の64億3500万円、営業利益は同33.5%増の8億600万円と増収・営業増益となり、好感されたようだ。ソリューションデザイン事業は減収となったものの、営業増益を確保した。また、次世代モビリティ事業は売上高が同95.8%増の3億2000万円、営業利益が同4.8倍の1億1500万円と伸長した。

■名古屋鉄道 <9048>  1,798円  -200 円 (-10.0%)  11:30現在  東証プライム 下落率トップ

名古屋鉄道<9048>が大幅安。30日の取引終了後、2033年満期ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)と2034年満期ユーロ円建てCBを発行し、約500億円を調達すると発表した。調達資金は鉄道関連投資(駅機能の高度化、駅や運転業務の効率化など)、不動産関連投資(沿線駅周辺開発、収益ビル取得など)に充てる。将来的な1株利益の希薄化を懸念した売りが優勢となっている。

■タカキュー <8166>  103円  +15 円 (+17.1%)  11:30現在

タカキュー<8166>が急伸している。30日の取引終了後、同日提出の有価証券報告書より「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消することとなったと発表。これを材料視した買いが入った。今年1月に地域経済活性化支援機構による再生支援が決まり、その後第三者割当による増資と取引金融機関による債務免除などが実行された。25年2月期第1四半期(3~5月)において債務超過が解消され、財務基盤の確立が図られることとなったことを受け、記載を解消することとなった。

●ストップ高銘柄

京極運輸商事 <9073>  1,359円  +300 円 (+28.3%) ストップ高   11:30現在

ジェイック <7073>  2,331円  +400 円 (+20.7%) ストップ高   11:30現在

新東 <5380>  2,388円  +400 円 (+20.1%) ストップ高   11:30現在

以上、3銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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