デルが大幅安 22年以来の増収もAIサーバー事業への高い期待には不十分=米国株個別
(NY時間09:42)(日本時間22:42)
デル<DELL> 138.75(-31.17 -18.34%)
デル・テクノロジーズ<DELL>が大幅安。前日引け後に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、売上高が予想を上回ったほか、ガイダンスも公表し、第2四半期、通期とも予想を上回る売上高見通しを示した。しかし、株価は冴えない反応。2022年以来の増収となったものの、AIに最適化されたサーバー事業に対する投資家の高い期待には不十分だったようだ。
クラークCOOは、AIタスク用に最適化されたサーバーの出荷による売上は前四半期の2倍以上になる17億ドルに達した。これらのマシンの受注残は前四半期比30%超増加し、38億ドルに達したとも述べている。サーバ、ネットワーク機器、ストレージ機器を含むデルのインフラ部門の売上高は22%増の92億ドルに急増した。
投資家が同社をAI需要の受益者と見なすようになったため、過去12カ月で株価は3倍超上昇した。企業は要求の厳しいAI生成タスクの実行のために高性能サーバーをますます必要としており、それは同社を含む数社しか販売していない。
一方、法人向けPCの売上高は3%増の102億ドルで、2%減を予想していた投資家を驚かせた。PC市場は回復しており、過去2年間の歴史的な落ち込み後、第1四半期の出荷台数は2021年末以来の増加に転じている。
株価は大きく下落しているものの、アナリストからはポジティブな見方も出ている。「目先の期待が先行し過ぎていたが、自信を持って押し目を買うべきだ」といった声や、「AIサーバーの売上は好調だが、利益はそれほどでもなかった。ただ、それが逆に、より魅力的な買い場を与える」といった声も聞かれた。
(2-4月・第1四半期)
・1株利益(調整後):1.27ドル(予想:1.23ドル)
・売上高:222.4億ドル 6.3%増(予想:216.2億ドル)
インフラ:92.3億ドル 22%増(予想:90.6億ドル)
サーバーおよびネットワーク:54.7億ドル(予想:48.9億ドル)
ストレージ:37.6億ドル(予想:39.8億ドル)
クライアント・ソリューション:119.7億ドル(予想:115.1億ドル)
コマーシャル:101.5億ドル(予想:96.6億ドル)
コンシューマー:18.1億ドル(予想:20.6億ドル)
・営業利益(調整後):14.7億ドル(予想:14.8億ドル)
(5-7月期・第2四半期予想)
・売上高:235~245億ドル(予想:231.7億ドル)
(25年度通期見通し)
・売上高:935~975億ドル(予想:946.2億ドル)
・1株利益(調整後):7.40~7.90ドル(予想:7.70ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース