ダウ平均は横ばい PCEデフレータにポジティブな反応も上値重い IT・ハイテク株に売り=米国株前半
NY株式31日(NY時間12:22)(日本時間01:22)
ダウ平均 38142.17(+30.69 +0.08%)
ナスダック 16454.13(-282.95 -1.67%)
CME日経平均先物 38310(大証終比:-180 -0.47%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は横ばい。取引開始前に発表になった4月のPCEデフレータを受けて米株式市場はポジティブな反応を示していた。総合指数は前年比2.7%、コア指数は前年比2.8%と前回から変わらず、予想通りの内容ではあった。ただ、先日の米消費者物価指数(CPI)同様にインフレの再上昇は確認されず、今後の鈍化を期待させる内容ではあった。
しかし、米株式市場の上値は重く、IT・ハイテク株中心に利益確定売りが続いており、ナスダックは大幅安となっている。今月の決算を受けて上げを先導してきたエヌビディア<NVDA>も利益確定売りに押される展開。
今週は週足陰線で終わりそうだが、月足ではダウ平均はいまのところ微妙だが、S&P500、ナスダックは4月の陰線から今月は陽線で終わりそうだ。
投資家たちは今週の不安定な動きに、最近の株高に陰りが見え始めたのではないか、そしてエヌビディアなど一握りの大型IT株の上昇が全体の弱さを覆い隠しているのではないかと懸念し始めている。S&P500は年初来で約10%上昇しているが、均等配分で見れば約3%の上昇に留まっている状況。6月第2週のFOMCを控えて、株式市場は波乱の相場展開も警戒される。
デル・テクノロジーズ<DELL>が大幅安。前日引け後に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、好調な内容ではあった。しかし、株価は冴えない反応。2022年以来の増収となったものの、AIに最適化されたサーバー事業に対する投資家の高い期待には不十分だったようだ。
アパレルのギャップ<GPS>が大幅高。前日引け後に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、既存店売上高が予想以上に伸びたほか、1株利益が予想の4倍近くになった。オールドネイビーやギャップ・グローバルが好調だったほか、バナナ・リパブリックやアスレタの既存店売上高が予想外の増収となった。ガイダンスも公表し、25年度通期の見通しを上方修正している。
データベースのプラットフォームを手掛けるモンゴDB<MDB>が大幅安。前日引け後に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は下落。ガイダンスを嫌気している模様。第2四半期は1株利益、売上高とも予想を下回る見通しを示したほか、通期の見通しも下方修正した。
セキュリティ・プラットフォーム開発のセンチネルワン<S>が決算を受け大幅安。年ベース経常収益(ARR)が予想を下回ったほか、通期ガイダンスで売上高見通しを下方修正した。
百貨店のノードストロム<JWN>が決算を受け上昇。ラックブランドの進展を評価
ホテル・カジノ運営のシーザーズ・エンターテインメント<CZR>に買いが膨らんでおり、大幅高となっている。アクティビスト(物言う株主)で知られる著名投資家のカール・アイカーン氏がかなりのポジションを保有していると伝わった。
高解像度映像の圧縮処理用半導体を製造するアンバレラ<AMBA>が決算を受け大幅高。IoTと自動車事業の回復を評価。
デル<DELL> 131.41(-38.52 -22.67%)
ギャップ<GPS> 28.63(+6.11 +27.13%)
モンゴDB<MDB> 233.55(-76.45 -24.66%)
センチネルワン<S> 16.42(-3.00 -15.45%)
ノードストロム<JWN> 21.86(+0.83 +3.92%)
シーザーズ<CZR> 35.32(+3.47 +10.89%)
アンバレラ<AMBA> 57.18(+8.87 +18.36%)
アップル<AAPL> 189.95(-1.34 -0.70%)
マイクロソフト<MSFT> 405.13(-9.55 -2.30%)
アマゾン<AMZN> 174.39(-4.93 -2.75%)
アルファベットC<GOOG> 171.14(-2.42 -1.39%)
テスラ<TSLA> 173.93(-4.86 -2.72%)
メタ<META> 455.07(-11.98 -2.57%)
AMD<AMD> 160.35(-6.40 -3.84%)
エヌビディア<NVDA> 1074.74(-30.26 -2.74%)
イーライリリー<LLY> 815.91(+0.85 +0.10%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース