マクセル---全固体電池の作動上限温度を150℃に引き上げる技術開発に成功

材料
2024年6月3日 9時16分

マクセル<6810>は30日、全固体電池の電極技術を発展させ、作動上限温度を150℃に引き上げる技術開発に成功したと発表。

昨年6月に量産開始したセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」は従来のリチウムイオン電池では使用できなかった高い温度域で使用可能なことから好評を得ている。そんな中、医療向け滅菌工程や半導体製造工程、車載用途など高温環境下で設備周辺の温度やそのほかの情報のセンシング・モニタリングが必要な分野から、これまでに「PSB401010H」の放電上限温度である125℃を超える用途での使用要望が多数あったという。

要望を受け、全固体電池の使用用途を拡大すべく耐熱特性向上の開発を進め、全固体電池の劣化メカニズム解析により、正極活物質と固体電解質との界面での副反応が高温における劣化の主要因であることが分かった。

これにより、同社は、電極の材料や配合などの電極設計を大幅に見直すことで、150℃の高温下で充放電を繰り返すサイクル試験において、放電電圧が1.0Vに低下するまでのサイクル数を従来電極仕様品との比較で約5倍に向上させることに成功。同技術を応用した製品開発を進めることで、高温下での電池寿命の減少により発生していた頻繁な電池交換工数の削減につながるほか、高温下でのセンシング・モニタリングが行えるため、より高精度な設備制御による生産歩留や品質の向上が期待できる。

同社は、既存の電池では使用できなかった領域の用途にも使用できる、長寿命、高耐熱、高出力、大容量 の4つの軸で、高性能で信頼性の高い全固体電池の開発を進めている。

《HH》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.