話題株ピックアップ【夕刊】(2):化工機、神鋼商、久光薬

注目
2024年6月3日 15時15分

■三菱化工機 <6331>  4,150円  +55 円 (+1.3%)  本日終値

三菱化工機<6331>が高い。前週末5月31日の取引終了後、三菱マテリアル<5711>傘下の三菱マテリアルテクノが保有するFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製品製造・販売の東総(秋田市)を子会社化すると発表した。自社のエンジニアリング事業でFRP製品を使用しており、シナジーが見込めるという。株式譲渡実行日は6月28日。

■神鋼商事 <8075>  7,160円  +90 円 (+1.3%)  本日終値

神鋼商事<8075>が3日続伸。この日、神和アルミ工業(栃木県真岡市)と共同で半導体製造装置向けアルミチャンバーの加工会社を設立すると発表しており、好材料視された。神鋼商は、中国にアルミ厚板の機械加工拠点である神商精密器材(蘇州)を有しており、新会社設立により機械加工拠点を2拠点確保することになる。また、神和アルミ工業とは加工時に発生するアルミ切削屑を再生塊にしてアルミ圧延メーカーに戻す水平リサイクルに取り組んでおり、新会社でもチャンバー加工とのシナジーによる競合との差別化とカーボンニュートラルへの貢献が期待できるとしている。

■久光製薬 <4530>  3,766円  +30 円 (+0.8%)  本日終値

久光製薬<4530>は堅調。前週末5月31日の取引終了後、8月1日出荷分から価格改定を実施すると発表。今後の収益力向上を期待した買いが入った。「サロンパス」「フェイタス」シリーズなど全60品目を対象に、希望小売価格を約5~40%引き上げる。原材料価格や包装材価格の高騰に加え、物流費やエネルギーコストなどの高止まりが続くなか、企業努力だけでは現在の価格を維持することが困難になったという。

■テクノプロH <6028>  2,632.5円  +20.5 円 (+0.8%)  本日終値

テクノプロ・ホールディングス<6028>が続伸。5月31日の取引終了後、自社株90万株(発行済み株数の0.84%)を6月20日付で消却すると発表しており、好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は、1億640万株となる

■ツルハホールディングス <3391>  9,368円  +66 円 (+0.7%)  本日終値

ツルハホールディングス<3391>が3日続伸。5月31日の取引終了後に発表した5月度の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比2.0%増となり、15カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数は同0.6%減と前月に続いて前年を下回ったものの、客単価が同2.7%増と上昇しカバーした。なお、全店売上高は同5.2%増だった。

■トリケミカル研究所 <4369>  3,885円  -485 円 (-11.1%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

トリケミカル研究所<4369>が大幅安。前週末5月31日取引終了後に2~4月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比1.4%増の32億7400万円、営業利益は同24.0%減の6億6400万円だった。通期で増収増益を見込んでいるだけに第1四半期時点での営業減益が嫌気され売られた。半導体需要の回復を背景に半導体製造用化学化合物の需要にも回復の兆しがみえてきたという。利益面では原材料価格の高騰や固定費増加の影響を軽減するため、引き続き経費削減やコスト上昇に伴う販売価格改定に取り組んだ。なお、通期見通しは据え置いた。

■トヨタ自動車 <7203>  3,341円  -60 円 (-1.8%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が軟調推移。同社は3日、2014年以降、生産終了車種を含めて7車種において、国が定めた基準と異なる方法で試験を実施していたことが判明したと発表した。5月31日に国土交通省に報告したという。このうち、「カローラ フィールダー」や「ヤリス クロス」など生産中の3車種では歩行者・乗員保護試験でデータ不備があった。調査結果を踏まえ、生産中の3車種については6月3日より、出荷・販売を停止することを決めたという。業績に及ぼす悪影響を警戒した売りが膨らんだようだ。生産終了車種を含めて対象車両については、「社内での徹底的な検証において法規に定められている性能に問題ないことを確認している」とし、ユーザーに対しては使用を控える必要はないとしている。また、国土交通省は3日、型式指定申請における不正行為が自動車メーカー5社から行われていたとの報告があったと発表した。5月末までにトヨタのほか、マツダ<7261>とヤマハ発動機<7272>、ホンダ<7267>、スズキ<7269>から不正行為があったとの報告を受けたことから、今後立ち入り検査を行い、事実関係の確認を行うとしている。ホンダとマツダは後場に下げに転じ、ヤマハ発も売られ、スズキが上げ幅を縮小した。

■ヤマザキ <6147>  402円  +80 円 (+24.8%) ストップ高   本日終値

ヤマザキ<6147>が大幅続伸しストップ高。同社は5月31日取引終了後、ナガセインテグレックス(岐阜県関市)と業務提携すると発表。これによるシナジーなどが期待されているようだ。ナガセインテグレックスは、超精密・微細加工における高い技術力を持ち、各種工作機械の製造販売や加工技術及びシステムソリューションの提供などを行っている企業。今後、両社の技術を活用した生産工程の自動化対応機器の開発・製造・販売で協力し、相互の成長につなげるとしている。

■IGS <4265>  456円  +80 円 (+21.3%) ストップ高   本日終値

Institution for a Global Society<4265>が後場に急伸。3日、非認知能力の可視化ツール「Ai GROW Lite(アイ・グロー・ライト)」を開発し、内田洋行<8057>が1万2000校以上に導入している学習eポータル「L-Gate(エルゲート)」の専売製品として連携すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。Ai GROW Liteは主体性や思考力といった6つの能力や特性(気質)などを測定するツールで、通常の「Ai GROW」から測定項目を絞り、価格を抑えたもの。L-Gateからシングルサインオンで利用できるようになり、全国の小・中学校において、ケアが必要となる可能性のある児童・生徒の早期発見と支援を目指す学校教育現場のニーズに対応する。

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