バリュー株中心に買い戻しの動きが強まり一時39000円台回復【クロージング】

市況
2024年6月3日 16時06分

3日の日経平均は続伸。435.13円高の38923.03円(出来高概算は16億7000万株)で取引を終えた。前週末の米国市場で、過度なインフレ高への警戒感が後退したことから、NYダウが大幅高となった流れを背景に投資家心理が改善。幅広い銘柄に買いが先行し、日経平均は取引開始ほどなくして39032.50円まで上伸し、取引時間中としては、5月29日以来3営業日ぶりに心理的な節目の39000円台を回復した。ただ、大台回復に伴う目先の達成感から戻り待ちの売りも散見され、買い一巡後は上値の重さが意識される形になった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1000を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、証券商品先物、保険、海運、鉱業など28業種が上昇。一方、電気ガス、輸送用機器、非鉄金属など5業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、TDK<6762>、信越化<4063>が堅調だった半面、第一三共<4568>、ディスコ<6146>、トヨタ<7203>、ソシオネクスト<6526>が軟化した。

注目を集めた4月の個人消費支出(PCE)デフレーターは、総合指数・コア指数共に前年比で市場予想と一致する結果となり、過度なインフレ懸念が後退。早期の利下げ観測への思惑につながった。これを引き継ぐ形で東京市場もリスク選好ムードから、幅広い銘柄が買われ、日経平均の上げ幅は一時500円を超え、39000円の大台を回復した。また、米国市場でこれまで主役だったハイテク株から資源関連株や不動産など内需系に資金がシフトしており、東京市場でも銀行や保険、海運など割安株に投資マネーが流入、後場中盤に向けてTOPIXは一時2800.80まで水準を切り上げ、取引時間中としては3月27日以来約2カ月ぶりの2800台を回復し、最高値目前に迫った。

日経平均は上値のめどとして意識されている75日線水準が重荷になっているだけに、この水準を明確に突破することができるのかが注目されよう。米国では、3日に5月のISM製造業景況指数、5日にはISM非製造業景況指数、7日に雇用統計など重要な経済指標の発表が相次ぐ。インフレの鈍化傾向が示される指標が相次ぐのであれば、米国の利下げ期待の高まりを背景とした株高の流れが波及し、日経平均も上昇基調をたどる可能性が高いとの見る向きは多い。

《CS》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.