5月の米雇用統計、雇用の冷え込みを示さず 利下げ期待は後退
朝方に5月の米雇用統計が発表になっていたが、非農業部門雇用者数(NFP)が27.2万人増と予想を大きく上回る増加を示した一方、失業率は4.0%と予想以上に悪化し、強弱まちまちな内容ではあった。ただ、平均時給は前月比0.4%、前年比で4.1%上昇し、いずれも前回を上回っていた。
これを受けて市場は、FRBの年内利下げ時期を再度後退させており、9月の利下げはほぼ無いとの見方に変化しているほか、年内も12月の1回に留まるとの見方を織り込み始めている。
来週はFOMCが予定され、今回は委員の金利見通し(ドット・プロット)が公表される。FOMCの結果発表当日の朝に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表され、その数字次第の面もあるが、年末までの委員らのドット・プロットの中央値は、3月時点の3回から1回に下方修正してくるとの見方を市場は高めているようだ。
エコノミストからは「きょうのニュースは米場労働市場の粘り強さを際立たせた。成長が続いていることを考えると、FRBが近く利下げに踏み切ることはないだろう。特に目標の2%を超えるインフレが続いている限り、それはなさそうだ」との声も出ている。
米雇用統計(5月)21:30
*非農業部門雇用者数
結果 27.2万人
予想 19.0万人 前回 17.5万人(前月比)
*失業率
結果 4.0%
予想 3.9% 前回 3.9%
*平均時給
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
結果 4.1%
予想 4.0% 前回 3.9%(前年比)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美