米雇用統計、食い違う2つの調査
米雇用統計は2つの調査から構成されている。1つは雇用者数と賃金データを作成するための企業調査、もう1つは失業率を作成するための家計調査である。家計調査でも独自の雇用者数を発表しており、5月の雇用者数は40万人以上減少し、今年最大の落ち込みとなっていた。
企業調査の非農業部門雇用者数(NFP)の数字とますます食い違うようになっており、エコノミストの間では、どちらが労働市場の真のシグナルなのかという議論が巻き起こっている。
一方、失業率は上昇していたものの、失業者数と離職者数はともに減少していた。これは労働参加率が62.5%に低下し、昨年初め以来の最低を記録したことが反映されている。失業率算出の分母が小さくなったため、分子の失業者数と離職者数が減少しても失業率は上昇した格好。
しかし、25歳から54歳までの労働者の就業率は2002年以来最高となった。5月の雇用増加はかなり幅広く、ヘルスケア、政府、レジャー・接客業が牽引。専門職およびビジネス・サービスは、年初来で最も多くの雇用を増加させていた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美