日米金融イベント待ちながら押し目待ち狙いの買い意欲は強い/オープニングコメント
10日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開が見込まれる。7日の米国市場は、NYダウが87ドル安、ナスダックは39ポイント安だった。5月の米雇用統計が想定以上に強く、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退したことが重荷となった。同時に、経済に楽観的な期待も広がり、一時上昇する局面もあったが、米長期金利の上昇が嫌気された。シカゴ日経225先物は大阪比変わらずの38650円。円相場は1ドル156円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時38910円まで買われる場面もみられたが、足もとで上値抵抗線として機能している75日線に上値を抑えられる格好だった。一方で、下値は25日線が支持線として機能しているため、25日、75日線とのレンジ内で推移することが見込まれる。
今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀の金融政策決定会合を控えていることから、結果を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすく、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られる。米長期金利が上昇したほか、為替市場では1ドル156円台後半と円安傾向をみせてきている。日米金融イベントを前に持ち高調整に伴うリバランスの動きが中心になりやすいと考えられる。
また、週末には6月限の先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控える。限月交代に伴うロールオーバーが中心になるものの、日米金融イベントの中でのメジャーSQになることから、需給が大きく変動する可能性もある。日経225先物は25日、75日線との狭いレンジでのこう着のなか、煮詰まり感も意識されてきていることから、トレンドを見極めたいところであろう。
そんななか、米雇用統計の結果を受けて利下げ観測が後退するなか、市場はこれを織り込んでいると考えられる。米VIX指数は低下傾向を継続しているため、アク抜けからの押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。
《AK》