話題株ピックアップ【夕刊】(2):レーザーテク、クミアイ化、三菱UFJ

注目
2024年6月10日 15時16分

■レーザーテック <6920>  37,400円  +1,200 円 (+3.3%)  本日終値

レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連の主力どころが売り買い交錯のなか高安まちまちの展開。前週末の米国株市場では5月の米雇用統計が予想から上振れ米長期金利が上昇し主要株価3指数が揃って下落したほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら軟調に推移した。東京市場ではここ最近半導体関連株の動きが冴えず、前週末はヘッジファンドの空売りのターゲットとなっていたレーザーテクは買い戻され9営業日ぶりに反発したものの、その他の主力株は売りに押されるものが目立つ状況だった。きょうも、値ごろ感からの押し目買いは観測されるものの、目先筋のポジション調整の売りが上値を重くしている。

■クミアイ化学工業 <4996>  788円  +23 円 (+3.0%)  本日終値

クミアイ化学工業<4996>が続伸。前週末7日の取引終了後、24年10月期の期末配当予想を18円から20円へ引き上げたことが好感された。年間配当予想は30円(前期45円)となる。同時に発表した第2四半期累計(23年11月~24年4月)連結決算は、売上高881億円(前年同期比7.7%減)、営業利益88億3000万円(同30.3%減)となったが、4日に下方修正を発表していたことから、これを嫌気する動きは限定的とだった。世界的な農薬の在庫圧縮基調の継続により、農薬及び農業関連事業の国内外向け製品の販売が苦戦した。なお、24年10月期通期業績予想は、売上高1550億円(前期比3.7%減)、営業利益100億円(同29.0%減)の修正予想を据え置いている。

■TSIホールディングス <3608>  957円  +27 円 (+2.9%)  本日終値

TSIホールディングス<3608>が3日ぶりに反発。7日の取引終了後に発表された5月度の月次売上情報で、既存店(国内直営小売店及びオンラインショップ)売上高が前年同月比5.2%増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。ゴールデンウイークに天候に恵まれ、全国的に気温が高く夏物商材の販売が好調に推移した。また、一部ブランドがECでセールを実施したことも寄与した。なお、全店売上高は同4.2%増だった。

■キャンドゥ <2698>  3,140円  +85 円 (+2.8%)  本日終値

キャンドゥ<2698>は続伸。午後2時ごろに発表した5月度の月次売上高で、既存直営店売上高が前年同月比4.4%増と24カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。なお、全社売上高は同5.8%増だった。

■イーエムシステムズ <4820>  629円  +13 円 (+2.1%)  本日終値

イーエムシステムズ<4820>が3日ぶりに反発。前週末7日の取引終了後、薬局向け処方箋集中受付管理システム「MAPsオプション処方箋シェアリング」を発売したと発表しており、好材料視された。同製品は、クラウドやリモートデスクトップの仕組みを活用し、本部主導による処方箋入力センター運用や混雑時間帯が異なることを利用した他店舗からの代行入力、在宅勤務スタッフによる代行入力を円滑に行うことを可能とするシステム。これにより薬局の調剤事務スタッフの働き方改革と最適な人的リソース活用実現を支援し調剤事務DXを実現するとしている。

■三菱UFJ <8306>  1,649.5円  +27 円 (+1.7%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3社が揃って上昇。また、第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など大手生保株も買い優勢の展開となった。このほか地銀株が軒並み高く、金融株全般への買いが活発化している。今週13~14日の日程で行われる日銀金融政策決定会合では、国債買い入れの減額観測が高まっている。また、植田日銀総裁は次回7月末に予定される決定会合での追加利上げの可能性を示唆するケースも考えられ、金利の先高思惑が改めて浮上している。そうしたなか、きょうは新発10年債利回りが、1.015%と再び1%台を上回ってきており、運用利ザヤ改善が期待される金融株への物色ニーズを喚起している。

■ローム <6963>  2,052.5円  +32 円 (+1.6%)  本日終値

ローム<6963>が続伸。前週末7日の取引終了後、自社株824万株(発行済み株数の2.00%)を6月24日付で消却すると発表したことが好感された。なお、消却後の発行済み株数は4億376万株となる。

■マブチモーター <6592>  2,416円  +35 円 (+1.5%)  本日終値

マブチモーター<6592>が続伸。前週末7日の取引終了後、沖電気工業<6703>の子会社である沖マイクロ技研から小型モーター事業を取得すると発表したことが好感された。OKIマイクロ技研が新たに設立するOKIエム・イーを吸収分割承継会社とする吸収分割の方法により、OKIマイクロ技研の小型モーター事業(海外子会社など一部を除く)を承継したOKIエム・イーの発行済全株式を取得する。譲渡完了は25年7月を予定しており、24年12月期業績予想への影響は軽微としている。

■三協フロンテア <9639>  4,250円  +60 円 (+1.4%)  本日終値

三協フロンテア<9639>が続伸。前週末7日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで株式の流動性を高めるとともに、投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。

■平和不動産 <8803>  3,795円  +25 円 (+0.7%)  本日終値

平和不動産<8803>が堅調推移。前週末7日の取引終了後、大成建設<1801>がシンプレクス・アセット・マネジメント(東京都千代田区)などから株式を取得し、平和不を持ち分法適用関連会社とすると発表した。平和不は大成建と資本・業務提携契約を締結し、すでに同契約を締結している三菱地所<8802>を交えて相互に連携・協力し、企業価値の向上に努める。これに伴い、平和不は取得総数240万株(自己株式を除く発行済み株式総数の6.67%)、取得総額90億4800万円を上限に、10日午前8時45分の東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT─3)を通じた自社株買いの実施を発表。菱地所が保有する株式の一部を売却する方針を確認しているとした。東証のToSTNeT─3情報によると、平和不は10日、予定通り1株3770円で上限となる240万株の買い付けを行った。平和不は自社株の取得に伴い、1株当たり純利益の予想が増加する見込みとなったため、25年3月期の年間配当予想を6円増額して126円(前期は特別配当50円を含めて166円)に見直した。平和不に対しては配当予想の増額修正を好感した買いが株価を支援したようだ。

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