本日の注目個別銘柄:FPパートナー、アールエイシ、MDVなど
<5631> 日製鋼所 4374 -196
大幅続落。前日に29年3月期まで5カ年の中期経営計画を発表。数値目標は、売上高3800億円、営業益370億円、ROE10-11%を掲げる。それぞれ24年3月期実績は2525億円、180億円、8.5%だった。防衛関連機器の売上増などを想定。株主還元は、配当性向35%以上を目標とするほか、DOE2.5%を下限に。足元では中計への期待も先行していたとみられ、目標数値のサプライズが限定的で出尽くしに。
<6762> TDK 8730 +364
大幅反発。独自の生成AIプラットホーム「アップル・インテリジェンス」を発表したアップルが、前日の米国市場で7.2%高と大幅高となり、アップル関連とされる国内電子部品株の刺激材料になった。同社に関しては、モルガン・スタンレーMUFG証券が「オーバーウェイト」継続で目標株価を8800円から9700円に引き上げた。リチウムイオン電池の増益が続くことで、今期業績は会社計画を大きく上回ると予想している。
<3248> アールエイシ 949 +109
急伸。前日に上半期の決算を発表、営業利益は7.5億円で前年同期比2.2倍の水準となっている。据え置きの通期計画5.7億円、前期比3.9%増を超過する格好に。第1四半期が大幅減益であったことから、サプライズも強まる形となっている。賃貸事業用マンション1棟を販売したことで、開発販売事業の収益が膨らむ状況に。第2四半期での売却はリリースされていたが、想定以上の業績貢献と受けとめられる。
<2910> ロックフィルド 1410 -83
大幅続落。前日に24年4月期の決算を発表している。営業利益は17.4億円で前期比15.8%増となり、従来予想の21.6億円を大きく下回る着地に。年明けから販売が苦戦してきているもよう。25年4月期は20.4億円で同17.5%増の見通し。冷凍食品の販売網拡大など既存店の堅調推移を見込むが、従来の中期計画では、25年4月期営業利益は32億円の計画であったため、想定以上の収益鈍化と捉えられる形に。
<3097> 物語コーポ 3215 -190
前日比変わらずを挟んで大幅続落。前日に発表した5月の月次動向が嫌気材料となっている。既存店売上高は前年同月比2.1%減と2カ月連続でのマイナス成長、前月は21年11月以来のマイナスに転じていた。客数が同1.1%減と2カ月連続のマイナスに。業態別では、焼肉部門、お好み焼部門がそれぞれ2カ月連続でのマイナスとなっている。
<9602> 東宝 4692 -418
大幅続落。前日に発表した5月の映画興行部門の興行収入がネガティブ視されているもよう。48.6億円で前年同月比40.2%減となっており、前年比マイナスに転じていた4月の同13.5%減から一段と落ち込み幅が拡大している。GW期間中でもあり、2023年は5月が最大の興行収入実績であったが、2024年5月の興行収入は今年に入って最も低水準となっている。1-5月トータルでも前年比マイナスに転じる。
<7388> FPパートナー 4025 -700
ストップ安。一部週刊誌のオンライン記事が売り材料視されているもよう。保険会社から営業社員の採用支援と斡旋の便宜を受け、その見返りに保険商品を優先的に取り扱うという構図が、事故車をビッグモーターに紹介して保険契約を割り振られていた損保各社と同じであると指摘されているもよう。顧客本位とはかけ離れているという金融庁幹部の見方なども紹介されているようだ。
<3591> ワコールHD 4250 +290
大幅反発。前日に提出された大量保有報告書によると、3Dインベストメントが5.13%を保有する大株主になったことが明らかになっている。保有目的としては、純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこととしている。3Dインベストメントは「物言う株主」として知られるシンガポールの投資ファンド。株主還元含めて企業価値向上に向けた施策の強化につながっていくとの思惑が先行。
<3902> MDV 567 +62
急伸。SBIHDが191万100株(議決権比率5.00%)を上限とする株式の追加取得を行うと伝わっている。同社とSBIHDは20年11月に資本業務提携を締結しており、現在、SBIHDは1237万6114株、議決権比率32.42%を保有する筆頭株主となっている。追加の株式取得によって、一層の連携強化が期待されるほか、短期的な需給面でのインパクトなども想定される状況とみられる。
<4384> ラクスル 1002 +88
大幅反発。前日に第3四半期決算を発表、累計営業益は21.9億円で前年同期比50.2%増となり、上半期の同35.7%増から一段と増益率が拡大した。3月の修正計画に対して若干上振れペースで推移しているもよう。また、成長機会に対する投資を実行しつつも利益還元の開始が可能と判断したことで、期末に1.7円の配当を実施することも発表。M&A実施なども今後の成長期待を高めさせることにつながったようだ。
《ST》