12日の米国市場ダイジェスト:NYダウは35ドル安、FOMCの慎重姿勢が上値抑制
■NY株式:NYダウは35ドル安、FOMCの慎重姿勢が上値抑制
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は35.21ドル安の38,712.21ドル、ナスダックは264.89ポイント高の17,608.44で取引を終了した。
予想を下回った5月消費者物価指数(CPI)を受け年内の利下げ期待を受けた買いに、寄り付き後、上昇。連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利据え置きを決定もメンバー予測で年内の利下げ予想が3回から1回に修正され金利が下げ止まると、ダウは下落に転じた。ナスダックは半導体関連が引き続き支援し終日堅調に推移し連日で過去最高値を更新、まちまちで終了。セクター別では、自動車・自動車部品、半導体・同製造装置が上昇した一方、電気通信サービスが下落した。
ソフトウエアメーカーのオラクル(ORCL)はアルファベット(GOOG)が運営するグーグルや対話型生成AI(人工知能)のチャットGPTなどのサービスを提供する非営利企業オープンAIとの提携によりAI強化が期待され、続伸。携帯端末のアップル(AAPL)もAIの新機能「アップル・インテリジェンス」への期待を受けた買いが継続。半導体のエヌビディア(NVDA)は株式分割実施を背景とした買いが続いた。配車サービスのウーバー・テクノロジー(UBER)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。メディアのパラマウント・グローバル(PARA)は合併交渉撤回でアナリストが投資判断を引き下げ、下落した。
半導体メーカーのブロードコム(AVGO)は取引終了後に四半期決算を発表。1株利益が予想を上回ったほか、見通しや1株を10株にする株式分割計画が好感され、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米CPI改善で年内の利下げ観測強まる
12日のニューヨーク外為市場でドル・円は157円35銭から155円72銭まで下落後、156円70銭まで戻し、156円72銭で引けた。米5月消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ観測が強まり、長期金利低下に伴うドル売りに拍車がかかった。その後、連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利を据え置き、スタッフ予測で平均年1回の利下げと、前回の3回から修正されたためドルの買戻しが強まった。
ユーロ・ドルは1.0760ドルから1.0852ドルまで上昇し、1.0810ドルで引けた。フランスのマクロン大統領が辞任を否定、政局リスク懸念が緩和しユーロの買戻しが優勢となった。ユーロ・円は、168円74銭へ下落後、169円59銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2760ドルから1.2860ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8956フランから0.8893フランまで下落したのち、戻した。
■NY原油:小幅高で78.50ドル、一時79.32ドルまで値上り
NY原油先物7月限は小幅高(NYMEX原油7月限終値:78.50 ↑0.60)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.60ドルの78.50ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは77.88ドル-79.32ドル。米国市場の前半にかけて79.32ドルまで買われたが、需要増加を想定した買いは一巡し、米国市場の後半にかけて77.88ドルまで反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明後は売買拮抗となり、通常取引終了後の時間外取引では主に78ドル台前半で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 39.41ドル +0.55ドル(+1.41%)
モルガン・スタンレー(MS) 95.65ドル +0.22ドル(+0.23%)
ゴールドマン・サックス(GS)448.70ドル +4.43ドル(+0.99%)
インテル(INTC) 30.76ドル -0.16ドル(-0.51%)
アップル(AAPL) 213.07ドル +5.92ドル(+2.85%)
アルファベット(GOOG) 179.56ドル +1.37ドル(+0.76%)
メタ(META) 508.84ドル +1.37ドル(+0.26%)
キャタピラー(CAT) 328.73ドル +1.42ドル(+0.43%)
アルコア(AA) 39.71ドル -0.50ドル(-1.24%)
ウォルマート(WMT) 66.31ドル -0.42ドル(-0.62%)
《ST》