前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―
■ギフトHD <9279> 2,626円 (-350円、-11.8%) 一時ストップ安
東証プライムの下落率3位。ギフトホールディングス <9279> [東証P]が急反落、一時ストップ安となった。同社は前週末14日の取引終了後、24年10月期第2四半期累計(23年11月-24年4月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想の修正を発表した。売上高予想を9億円増額して285億円(前期比24.0%増)、最終利益予想を2億1000万円増額して19億6000万円(同22.7%増)に上方修正した。ただ市場の期待する水準には届かず、物足りないと受け止めた投資家の売りが膨らんだようだ。同社はラーメン店「町田商店」を展開する。国内の直営店舗の売り上げが好調に推移し、第2四半期累計の業績が予想を上振れして着地することとなった。足もとの状況なども踏まえて、業績予想を見直したという。
■カドカワ <9468> 2,851.5円 (-293.5円、-9.3%)
東証プライムの下落率5位。KADOKAWA <9468> [東証P]が急反落。14日、8日に発生したシステム障害の現状について発表した。出版事業で受注システムなどの停止により出荷数量が減少しているほか、Webサービス事業で「ニコニコ動画」など関連サービスの停止、MD事業で運営するオンラインショップの商品の受注不能などが発生。更に経理システムにも影響が及び、取引先への支払いに遅延が生じる可能性があるという。個人情報・クレジットカード情報などの漏洩は現時点で確認されていないとした。今後の見通しについて、6月末をメドに安全なネットワーク、サーバ環境の構築と基幹システムの復旧を目指す。「ニコニコ」の復旧は1ヵ月以上かかる見込みで、再開できるサービスから順次再開していくという。この発表を受け、業績への影響を懸念した売りが出たようだ。
■カゴメ <2811> 3,340円 (-301円、-8.3%)
東証プライムの下落率7位。カゴメ <2811> [東証P]が急反落。前週末14日の取引終了後、自社株の処分による652万1800株の売り出しと、オーバーアロットメントによる上限97万8200株の売り出しを実施すると発表しており、需給悪化を懸念した売りが出たようだ。売出価格は7月1~4日に決定する予定で、調達資金(上限)253億1890万円は、1月26日に実施した米インゴマー・パッキング社の株式追加取得に係るブリッジローンの返済原資の一部に充当する。あわせて、自社株48万株(発行済み株数の0.51%)を7月31日付で消却すると発表した。消却後の発行済み株数は9388万6944株となる。
■HIS <9603> 1,685円 (-126円、-7.0%)
エイチ・アイ・エス <9603> [東証P]が続急落。前週末14日の取引終了後、24年10月期の連結業績予想について、売上高を3500億円から3600億円(前期比42.9%増)へ、営業利益を100億円から110億円(同7.9倍)へ上方修正したが、上期の営業利益の上振れ着地に対して下期営業利益を下方修正しており、これを嫌気した売りが出たようだ。下期において日本発海外旅行需要の回復に遅れがみられることが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(23年11月~24年4月)決算は、売上高1611億7300万円(前年同期比56.6%増)、営業利益57億5900万円(前年同期33億5800万円の赤字)となり、従来予想の営業利益33億円を大きく上回って着地した。日本における旅行事業で3、4月の積み上げが良化したことに加えて、海外旅行事業で特にヨーロッパ地域の業績が予想を上回ったことが牽引した。また、訪日旅行者が増加している日本でホテル事業の客室単価が上昇し収益性が向上したことも寄与した。
■日経レバ <1570> 27,120円 (-1,115円、-4.0%)
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅反落。日経平均株価に連動するように組成されたETFで、全体相場のボラティリティが高まると個人投資家の参戦が活発化する傾向が強い。週明けの東京市場では先物主導の売り仕掛けによって日経平均株価が25日・75日移動平均線を一気に下放れるリスクオフの地合いとなっており、価格変動率が日経平均の2倍に基本設定された日経レバはそれに輪をかけて下げ足を強めた。市場関係者は「欧州株全面安を嫌気しているとしても、米国で(リスクオフの流れは)止めたようにも見えた。とすれば、国内だが明確な売り材料が見当たらない。日銀の金融政策決定会合が玉虫色の内容だったことで、これを嫌気している可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)とする。
■トヨタ <7203> 3,036円 (-80円、-2.6%)
トヨタ自動車 <7203> [東証P]が5日続落。14日の取引終了後、認証不正問題で生産を停止している「ヤリスクロス」など3車種に関して、7月以降も生産を停止すると明らかにしたと国内メディアが相次いで報じた。更に「クラウン」の新型車の発売を延期することも決めたとも伝わっている。今後の事業への悪影響を懸念した売りが優勢となった。3車種の生産停止について、当初は6月28日までとしていたが、国土交通省などによる調査が続いているため、延長することになったという。
※17日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋
株探ニュース