話題株ピックアップ【夕刊】(2):ベルーナ、GMO、インテージH

注目
2024年6月18日 15時16分

■ベルーナ <9997>  760円  +18 円 (+2.4%)  本日終値

ベルーナ<9997>が3連騰で年初来高値を更新した。17日の取引終了後に5月度の月次売上高の速報値を発表。連結では前年同月比3%増の179億4800万円となった。増収基調を継続したことが株価の支援材料となったようだ。プライム上場企業の同社はPBR(株価純資産倍率)が0.5倍台と低水準で、配当利回りは3.8%台に上り、資本効率の向上を期待した投資家の資金や、インカムゲイン狙いの資金の流入が続いたことも、このところの株価水準の切り上げに寄与したとみられている。5月はリゾートホテルがゴールデンウィーク期間中に高稼働となったほか、インバウンド顧客も獲得し、ホテル領域が大幅な増収となった。専門通販事業では予約販売が好調だったワインや、グルメの売上高が伸びた。

■GMO <9449>  2,423.5円  +37.5 円 (+1.6%)  本日終値

GMOインターネットグループ<9449>が後場上げ幅を拡大。午後1時ごろ、AIやロボットの導入・活用支援に向けた100%子会社を設立したと発表したことが好感された。新会社「GMO AI&ロボティクス商事」(GMO-AIR)は、世界中のネットワークを駆使して国内外からロボットを調達するだけではなく、GMOグループが持つインターネットインフラ商材(アクセス、ドメイン、クラウド・ホスティング、SSL、決済、セキュリティー、データセンター、メンテナンスなど)をあわせて提供するほか、金融事業の強みを生かしたレンタル、リース、ローン、保険、助成金の活用支援などのサービスを展開する。資本金は1億円。なお、同件による24年12月期業績への影響は軽微としている。

■インテージH <4326>  1,432円  +21 円 (+1.5%)  本日終値

インテージホールディングス<4326>が反発。17日の取引終了後、子会社インテージヘルスケアのCRO(医薬品開発業務受託機関)事業をアルフレッサ ホールディングス<2784>に譲渡すると発表。これに伴い、25年6月期第1四半期に約18億円の特別利益を計上する見込みとしたことが好感された。インテージヘルスケアがCRO事業を会社分割により新設会社へ承継させ、新会社の全株式をアルフレッサに譲渡する。なお、株式譲渡日は9月2日を予定している。

■キヤノン <7751>  4,414円  +55 円 (+1.3%)  本日終値

キヤノン<7751>が反発。午前11時ごろ、ペロブスカイト太陽電池の耐久性や量産安定性を向上させることが期待される高機能材料を開発したと発表しており、好材料視された。今回同社が開発したのは、ペロブスカイト層(光電変換層)を被覆する高機能材料。ペロブスカイト太陽電池の光電変換層中の結晶構造は、大気中の水分や熱、酸素などの影響を受けやすく耐久性が低いうえ、大面積のものは量産安定性が低いという課題があったが、同材料は、従来の材料では難しかった、高い光電変換効率を維持しながら光電変換層を厚く被覆できることが特徴。ペロブスカイト太陽電池の発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授らとの共同研究を通じて性能評価を行った結果、ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上に寄与する可能性が実証され、量産安定性の向上も期待できることが確認されたとしており、ペロブスカイト太陽電池の普及に貢献することが期待されている。なお、同社では今後更なる技術開発を進め、25年の量産開始を目指すとしている。

■エクセディ <7278>  2,886円  +21 円 (+0.7%)  本日終値

エクセディ<7278>が堅調推移。17日の取引終了後、アクティビストとして知られる村上世彰氏の長女である野村絢氏と、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が、エクセディの株式について新たに5%を超えて保有していることが明らかとなり、思惑視されたようだ。同日に関東財務局に提出された大量保有報告書によると、野村絢氏とシティインデックスイレブンスによる保有割合は合計で5.46%となった。報告義務発生日は10日、保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

■トヨタ自動車 <7203>  3,052円  +16 円 (+0.5%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が6日ぶり反発。ここ下値模索の動きが続いていたが、満を持して押し目買いが優勢となりリバウンドに転じている。前日は全体相場がリスクオフの流れとなるなか、同社株は一時3010円まで売り込まれ、今年2月初旬以来となる3000円大台割れ寸前まで水準を切り下げた。きょうは、前日の欧米株高と外国為替市場でドル高・円安方向に振れていることなどを追い風に値ごろ感からの買い戻しを誘っている。ただ、上値は重い。同社グループ全体に広がった認証不正問題が株安の背景となっていたが、きょうは同社の株主総会が予定されており、その内容にマーケットの視線が注がれている。豊田章男会長の再任人事について、米国の複数の議決権行使助言会社が反対票を投じることを推奨しており、その行方が注目されている状況だ。

■鴻池運輸 <9025>  2,374円  +9 円 (+0.4%)  本日終値

鴻池運輸<9025>が反発。17日の取引終了後、カナダとメキシコで自動車部品のデザインパッケージング事業を展開するPine Valley Packagingグループの持ち株会社の株式を取得し、子会社化すると発表した。国内包装資材メーカーと共同で設立する合弁会社を通じて買収する。これが好感された。

■朝日インテック <7747>  2,193円  +8 円 (+0.4%)  本日終値

朝日インテック<7747>が反発。17日の取引終了後、配当性向の目安を従来の30%から35%に引き上げる配当方針の変更を発表したことが好材料視された。24年6月期の配当から変更する予定で、配当予想16円43銭の配当性向は30.0%であることから、増額を期待した買いが入ったようだ。

■INPEX <1605>  2,273.5円  +5.5 円 (+0.2%)  本日終値

INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>が高い。17日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前週末比1.88ドル高の1バレル=80.33ドルに上昇した。夏場のドライブシーズンに向けてガソリン需要の拡大による原油の需給引き締まりが期待されるほか、今年下半期のエネルギー需要の増加観測も出ている。更に中東情勢への警戒感も原油相場を押し上げる要因となっている。ENEOSは、ペロブスカイト型太陽電池の主原料となるヨウ素を増産すると報道されたことも好感された。

■伊勢化学工業 <4107>  31,550円  -7,000 円 (-18.2%) ストップ安   本日終値

伊勢化学工業<4107>が大幅続落。東京証券取引所が17日の取引終了後、同社株の信用取引による新規の売り付け及び買い付けに係る委託保証金率を18日売買分から50%以上(うち現金20%以上)とする臨時措置を実施すると発表。また、日本証券金融も貸借取引自己取引分及び非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分の貸借担保金率を18日売買分から50%(同20%)にすると発表した。これらの発表を受けて、信用取引による取引負担の増加により、個人投資家からの資金流入が細るとの警戒感から売られたようだ。

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