ボーイングが下落 カルフーンCEOが公聴会に出席=米国株個別

材料
2024年6月19日 4時54分

(NY時間15:54)(日本時間04:54)

ボーイング<BA> 175.32(-3.07 -1.72%)

NY時間の終盤に入ってボーイング<BA>の軟調な値動きが続いている。同社のカルフーンCEOが午後に上院小委員会の公聴会に出席し、安全よりも利益を優先するあまり、同社の製造上の欠点を克服できなかったと厳しい批判にさらされた。

コネティカット州選出のブルメンタール上院議員(民主党)は冒頭のコメントで、「あなた方と取締役会は株主に対しての義務はあるのかもしれないが、壊れた安全文化の根本的な原因に立ち向かい軌道修正を怠れば、株主のためにならないだろう。ボーイングにとってこれは運命の分かれ目だ」と述べた。

それに対しカルフーンCEOはコメントの冒頭で2018年と2019年に2件の墜落事故で亡くなった人々の遺族に起立して謝罪した。同社CEOは「346人が死亡した墜落事故の責任はボーイングと欠陥ソフトウェアにあると受け止めている」と述べた。

同議員のボーイングが内部告発者への報復を理由に解雇された者はいるのかとの質問に対し同CEOは「解雇はしたが人数は特定できない」と返答。

カルフーンCEOは公聴会に先立ち「私は透明性の精神でここにおり、責任を取るためにここにいる」と語った。カルフーンCEOはボーイングが後任を探す間、遅くとも年内には退任を表明している。

カルフーンCEOはボーイングの100年に渡る歴史の中で最も激動の時期の1つを統率してきた。737マックスの世界的な欠航、パンデミック、労働者の流出、サプライチェーンの混乱などに対処し、同CEOの時代にボーイングは年間260億ドル近い損失を計上。1月には飛行中に大惨事に近い事故に見舞われた。

カルフーンCEOはリーン生産方式を取り入れたが、工場現場ではしばしば製造と納品のスピードアップを求める圧力が優先されたと内部告発者のモホーク氏は語っている。

6月11日に職場の安全を監督する当局の機関に提出された告発文でモホーク氏は、同社が損傷していたり、使用不可能であったりする何百もの部品の追跡を失い、その一部が737型機に搭載された可能性があると訴えた。モホーク氏はまた、ボーイングの管理職が、ボーイングの方針や米連邦航空局(FAA)の規則に違反して、これらの部品の記録を削除したり、保存しないよう従業員に指示したと非難している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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